「RADEON 8500」β版 |
T-ZONE.PC DIY SHOPでATI Technologiesの最新ビデオチップ「RADEON 8500」を搭載したビデオカード(β版)を用いた動作デモが始まっている。
RADEON 8500は、まだ公式リリースのないDirectX8.1、そしてOpenGL3.1に現時点で唯一完全対応するビデオチップ。ATI Technologiesの代理店からショップに配付されている資料によると、同チップを搭載するカード「RADEON 8500」はコア/メモリ(DDR SDRAM 64MB)ともに275MHzで動作し、RAMDACは400MHz、そして内蔵する165MHz動作のTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)により1600×1200ドットという高解像度でDVI-I出力が可能というコンシューマ向けのハイエンドビデオカードだ。毎秒6250万トライアングルの処理が可能なハードウェアT&Lエンジン「Charisma EngineII」をはじめ、従来製品でサポートしていた機能も処理能力が上がり、テクセル性能は2.4Gテクセル/秒。従来のRADEONシリーズに比べ、最大で60%程度パフォーマンスが向上したとして注目を集めている。
店頭にある製品紹介ポップには、パッケージのイラストが描かれている |
Windows 2000は同製品を「ATI Radeon200 AGP」として認識。なおβ版のためか、RAMDACは350MHzに落とされていた |
ただし、現在デモ中のカードは、DirectX8.1の不具合か最新3Dベンチマークソフトのほぼすべてが正常に動作しない。RADEONシリーズも登場後しばらくの間ドライバのインストールでトラブルを抱えていたが、伝統はRADEON 8500でも受け継いだ?! なお価格は「4万円弱になる予定」(T-ZONE.PC DIY SHOP)。
RADEON 7500のデモ版も入荷。国内版登場は来週?
現行RADEONはシリーズ再編成へ
「RADEON 7500」のASKセレクト版。T-ZONE.PC DIY SHOPによると、ATI Technologies純正品とほとんど同じデザインだそうだ |
また同店では、ASKセレクトブランド製のRADEON 7500カードもあわせて入荷している。RADEON 7500は従来のRADEONシリーズの高速化版にあたるカードで、コア/メモリ(DDR SDRAM 64MB)クロックは290/230MHz。ハードウェアT&Lエンジンは従来どおり「Charisma Engine」のままであるなどRADEON 8500との差別化がはかられている。ただしDVI出力はRADEON 8500同様、最大1600×1200ドットに対応。350MHzのRAMDACを2つ搭載し、標準でデュアルディスプレイ出力をサポートするようだ。価格はASKセレクト版が1万円台後半、ATI Technologies純正でも2万円程度になるようで、ミッドレンジのビデオカードとして要注目だ。OVERTOPによると、来週にもGeForceシリーズの最新ビデオチップで、GeForce2 Proの後継に当たると見られる「GeForce2 Ti」を搭載したProlink製ビデオカードが1万円台から2万円台で登場予定とのことで、ちょうどこの2製品が同じ価格帯で激突しそうだ。
ビデオチップ「RADEON 7500」。実際の製品でもチップクーラーやヒートシンクが不要なのかどうかは今のところ不明 |
一方で、現行RADEONシリーズは再編成されることになるもよう。前述した代理店からの資料によると、今後RADEONシリーズは8500/7500に加え、コア/メモリ(SDRAM 64MB)ともに157MHz駆動、RAMDAC 350MHzでデュアルディスプレイをサポートしない、GeForce2 MXシリーズ対抗となり、1万円台前半で登場すると見込まれる「RADEON 7200」、コア/メモリ(DDR SDRAM 32MB)ともに166MHz駆動でCharisma Engineを搭載しない、現在のRADEON VE後継と思われる「RADEON 7000」の、合計4製品に集約されるようだ。いつ、どのような形で再編成が行われるのか今のところいっさいが不明だが、4製品ともGeForceシリーズを意識した、かなり強気の価格設定が行われるのは間違いなさそう。この秋は、NvidiaとATI Technologiesのビデオ戦争が再び繰り広げられることになるかもしれない。
【取材協力】