19日発売予定と言われていた「RADEON 8500」のATI Technologies版バルク品が、閉店間際の19時過ぎになんとか間に合って複数のショップで販売が始まった。今回登場したのは、カードのレイアウトはまったく同じながら、完全なバルク版と、ATI Technologies純正ではない箱入り版の2種類。実売価格は当初の見込みどおり3万円程度になっている。
これが“ATI Technologies純正ではない箱”。サードパーティ製品のように見えるが、中身は完全なバルク版と同じくATI Technologies製のカードである |
チップクーラーを外すと、中からは「RADEON 8500」のロゴ入りチップが |
RADEON 8500は「GeForce3より高速」とATI Technologiesが胸を張るその性能に注目が集まっていた製品だ。0.15μmプロセス技術で製造されるRADEON 8500ビデオチップは「RADEON 7500」を含む現行RADEONシリーズの第2世代品にあたるもの。RADEONシリーズの特徴だったハードウェアT&Lエンジン「CHARISMA ENGINE」、3Dレンダリングエンジン「PIXEL TAPESTRY」、メモリ帯域幅節減技術「Hyper Z」のすべてが“II”(第2世代)へと進化したのが大きな特徴である。
DirectX8.1がサポートする“Vertex Shader 1.0/1.1”完全対応の「SMARTSHADER」技術を搭載する「CHARISMA ENGINE II」のポリゴン処理能力は7500万トライアングル/秒。単純比較はできないものの、数値上では5700万トライアングル/秒のGeForce3より約1.3倍高い計算だ。PIXEL TAPESTRY IIは現行RADEONシリーズの倍にあたる4本のレンダリングパイプラインを持ち、こちらもDirectX8.1がサポートする“Pixel Shader 1.2/1.2/1.3/1.4”に完全対応する。DirectX8.1はWindows XPでサポートされる最新の3D APIだが、RADEON 8500はこのDirectX8.1に対応する世界初のビデオカードということになる。なお、Hyper Zが進化したHyper Z IIは、従来よりも約25%レンダリング性能を向上させるという。
Entech Taiwan製のTweaker「PowerStrip」にて計測した結果。コア/メモリクロックは250MHz(正確には249.75MHz)になっている |
同じくPowerStripより。RAMDACのクロックは350MHzになっている |
VRAMには、hynix(旧現代電子)製の最高275MHz動作をサポートするメモリチップが用いられている。これを見る限り、オーバークロックすればメモリクロックは発表時のレベルまで高速化できそうだが… |
なお、Akiba2GO!が独自に入手した資料では、内蔵する165MHz動作のTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)により1600×1200ドットという高解像度でDVI-I出力が可能ということになっているが、今回入荷したバルク版がこの解像度でDVI出力できるかどうかは不明である。
従来製品同様、ビデオエンコーダには「ATI Rage Theater」を搭載している |
バルク版、箱入り版ともにATI Technologies純正と思われるドライバCD-ROMとビデオ出力用ケーブルを同梱し、箱入り版にはDVI-D-Sub15ピン変換コネクタも同梱。D-Sub15ピン+DVIのほか、D-Sub15ピン×2によるデュアルディスプレイ出力をサポートする分だけ、箱入り版の方がバルク版よりも若干高めの価格設定となっている。
箱入り版に付属するDVI-D-Sub15ピン変換コネクタ |
価格 | ショップ |
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RADEON 8500(完全なバルク版) | |
\27,800 | RockValley(完売) |
\27,999 | WonderCity(19日発売) |
\28,500 | クレバリー1号店(19日発売) |
\29,500 | OVERTOP |
\29,800 | 高速電脳 コムサテライト3号店 BLESS 秋葉原本店 |
RADEON 8500(箱入り版) | |
\29,800 | OVERTOP |
\30,800 | コムサテライト3号店 (※変換コネクタ付バルク版として販売) |