最新スマートフォンからIoT製品、そして昔ながらの電子パーツが売られている世界一の電脳街である、中国・深センの「華強北」(ファーチャンベイ)。香港から電車やバスで国境を超え1時間半程度でアクセスできます。その華強北への新たなアクセスルートとして、香港から深セン、そして広州、さらに上海や北京までつながる「高鉄」(高速鉄道)が開業しました。これに乗れば香港から深センは15分弱! 電脳街がより身近なものになります。さっそくこの高速鉄道に乗ってみました。
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高鉄の始発駅は香港の「西九龍」駅です。香港国際空港から香港市内を結ぶ空港鉄道、エアポートエクスプレスの「九龍」駅と連絡通路で直結しているほか、香港地下鉄の「柯士甸(オースティン)」駅ともつながっています。飛行機で香港に到着後、そのまま高速鉄道の駅まで電車で移動できるというわけです。ちなみに香港に「クーロン」という呼び名の地名はありません。九龍はカオルーンと読むので注意しましょう。
西九龍駅では高鉄の切符の自動販売機がありますが、外国人は利用できません。実はこの高鉄は中国とつながっていることから、切符の販売ルールは中国大陸と同様になっています。座席は全指定で自由席はありません。
また切符を買う際は身分証明書が必要で、切符には氏名とID番号(外国人ならパスポート番号)の一部が印刷されます。本人しか利用できず転売はできません。西九龍駅の切符自販機は香港人、中国人が持っているIDカードを読み込むことができますが、外国人のパスポートは読み取れないのです。
そのため外国人は窓口に並んで切符を買う必要があります。窓口は深センや広州などの近距離列車と、それ以遠の長距離列車と、2ヵ所に分かれています。
深セン行は深セン中心部の「福田」(フーティエン)行きと、深セン北部のターミナル「深セン北」(シェンツェンベイ)の2つの行き先があり、広州行きなどの列車がどちらかの駅にも止まります。華強北へ行くなら迷わず福田行き、あるいは福田停車の列車を選びましょう。
切符の購入は主要クレジットカードやモバイルペイメントが利用できます。切符は実名登録制なのでパスポートを購入時に提示します。西九龍までは2等車78香港ドル(約1200円)、1等車(ファーストクラス)125香港ドル(約1800円)。わずか10分ちょっとの乗車時間ですから、2等車で十分でしょう。
さて窓口に並び一番早い時間の列車の切符を買おうとしても、買えるのは1時間後などだいぶ先の列車になります。これは西九龍駅でイミグレーションを2回通るために時間がかかることから、直近の列車は売ってくれないのです。
西九龍駅では改札後に香港のイミグレーションがあり香港を出国します。続けて中国の入国があるので、そこで中国国内に入ります。つまり西九龍駅の切符売り場のフロアは当たり前ですが香港ですが、駅の待合室やホームは中国大陸になっているのです。
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