筆者が最初に購入したパソコンはシャープの「MZ-2000」。このマシンには4MHzの「LH0080A」(シャープ製)が搭載されていました。さてそんなマシンからPCを使い始めたワタシですが、PCに要求するマシンパワーは高まる一方。
現在6コア12スレッドのCPUを搭載した自作PCをメインマシンに使っていますが、動画編集などの重たい作業をするたびにアップグレードの欲求に駆られています。
そんな悶々するなかでASCII.jp編集部から、16コア32スレッドの「Ryzen Threadripper 1950X」を体験してみないかとの依頼(ルビはユウワク)が……。8月13日には32コア64スレッドという圧倒的なRyzen Threadripper 2990WXの発売、8月末には16コア32スレッドの2950Xが登場予定で、価格動向が気になる1950X。実際に、自分の今使用しているPCよりもどれぐらい動画編集などに有効なのかなど、大層気になったので喜んで引き受けた次第です。
どんなパーツでRyzen Threadripperマシンを作るのか?
さて今回、Ryzen Threadripper 1950X搭載マシンを作るにあたって選定したパーツは下記の通りです。
【検証環境】 | ||
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種別 | 製品名 | 価格 |
CPU | AMD「Ryzen Threadripper 1950X」 | 10万8000円前後 |
グラフィックス | ASRock「Phantom Gaming X Radeon RX580 8G OC」 | 3万9000円前後 |
メモリー | Corsair「CMK32GX4M4B3200C16」 | 5万2000円前後 |
マザーボード | ASRock「X399 Taichi」 | 4万4500円前後 |
CPUクーラー | NZXT「KRAKEN X72 RL-KRX72-01」 | 2万7000円前後 |
システムドライブ | Samsung「970 EVO MZ-V7E250B/IT」 | 1万2800円前後 |
データドライブ | Seagate「BarraCuda ST4000DM004」 | 8400円前後 |
PCケース | LIAN LI「O11 AIR」 | 1万5500円前後 |
※価格は8月23日のもの
マザーボードやメモリーは信頼性に定評があるちょっと高めの製品をセレクトしつつも、SSDは低容量に抑えて、ハードディスクを組み合わせたり、グラフィックボードはミドルクラスに抑えながら、同価格帯の他社モデルよりもベースクロックが高い製品を選ぶなどコストパフォーマンスを意識して選定しました。最近のハイエンドノートPCと比較すると、価格帯性能比ですっごく安く感じられます。やっぱりデスクトップPCってオトクですよ。
Ryzen Threadripper 1950Xマシン自作のキモ
ハイパフォーマンスなRyzen Threadripper 1950Xだからといって、PCを自作するにあたっての流れは基本的には変わりません。人によって多少手順は前後しますが、筆者は今回下記のような流れで作業を進めました。
グラフィックスカードを最後に取り付けている理由は、ケーブルを配線する際にひんぱんにケースを動かすためです。グラフィックスカードは結構重いわりに、端子とふたつのネジだけで自重を支えています。
よほど乱暴に扱わないかぎり落脱することはないでしょうが、精神衛生上よろしくないのでワタシは最後に取り付けることにしています。
Ryzen Threadripperマシン自作ならではの注意点
先ほど、「Ryzen Threadripper自作の流れは基本的には変わりません」とお伝えしましたが、それでもいくつか注意点はあります。Ryzen Threadripperは同梱されているT20のトルクレンチで必ず固定しなければならず、またネジを締める順番も決められています。
またCPUクーラーを取り付けるアタッチメントは、NZXT 製CPUクーラー「KRAKEN X72 RL-KRX72-01」には同梱されておらず、Ryzen Threadripperに入っているものを使います。無理矢理非対応のアタッチメントで取り付けようとしてマザーボードを壊さないように注意してください。
CPUクーラーの取り付けにはグリスが必須ですが、Ryzen Threadripperのパッケージサイズは大きいので、専用のCPUクーラーでなければ全体を覆えません。
つまりCPU全体にグリスを塗ってしまうと、盛大にはみ出すことになります。はみ出したままではケース内のホコリが付着してしまう可能性があります。汎用のCPUクーラーを使用する際には、CPUクーラー側にグリスを塗ることをオススメします。
さっそくベンチマーク「CINEBENCH R15」でパフォーマンスをチェック!
特にトラブルなくRyzen Threadripper 1950Xマシンが組み上がったので、とりあえずBIOSは初期設定のままWindows 10をインストールし、最新アップデート適用後に「CINEBENCH R15」を実行してみました。その結果がコチラ。
いやあ、まったく設定をいじらずにCINEBENCH R15のCPUスコアが3000cbを超えるなんて本当にビックリ。中身を新調したばかりの私物デスクトップPCが急に色褪せて見えてきました。
先日発売された第2世代のRyzen Threadripper 2990WXは32コア/64スレッドと圧倒的な性能を有していますが、20万円超えとかなりお高め。ゲームや動画編集を行なう人には、8月末に発売されると予想されるRyzen Thredripper 2950Xの方がオススメできますが、第2世代が発売されたことで、さらに1950Xが安くなったら買わないわけにはいかない!
次回のベンチマーク編では安定運用できる範囲で各種設定を微調整したうえで、クリエイティブ系アプリケーションでのパフォーマンスを検証してみたいと思います。