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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ”第557回

江戸時代! 1840年設計のロシア製オールドレンズ「Petzval」で猫を撮る

2018年04月28日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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歩いてきたチャシロの猫が遠くの何か(ハトだか)を見つけて、ハンター顔でぴしっと止まったところを狙ってみた。背景のボケや周辺部の集中線っぽい収差がいい感じに(2018年4月 富士フイルム X-T2)
歩いてきたチャシロの猫が遠くの何か(ハトだか)を見つけて、ハンター顔でぴしっと止まったところを狙ってみた。背景のボケや周辺部の集中線っぽい収差がいい感じに(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 1840年、日本だと江戸時代の後期ですな。黒船が来たりした頃。そんな時代、ヨーロッパで「ペッツヴァール」(Petzval)という人がカメラ用のレンズを設計したのである。そのレンズの評判がよく、ペッツヴァール式レンズということで類似品が出回ったのである。

 で、それを現代のカメラ用として「ロモグラフィー」が復活させたのだ。しかもロシア製。

 当時のデザインを継承し、レンズ構成や写り、フォーカスの操作などはそのまま生かしているのがまた渋い。

 そのレンズを借りることができたので、マウントアダプターを介して富士フイルムの「X-T2」に装着したのがこちらだ。

「X-T2」+「マウントアダプター」+「Petzval 58mm」。真ちゅうの色が「百式」っぽい
「X-T2」+「マウントアダプター」+「Petzval 58mm」。真ちゅうの色が「百式」っぽい

 金色なのでこれを見た友人の何人かが「百式?」と言ってきたので、私の中では俗称「百式レンズ」ということになったわけだが、金色なのは真ちゅう製のため。百式(Zガンダムネタです)とは関係ないけど、言われると百式っぽくはある。

 ちなみに、レンズの下にあるツマミ。これがフォーカス。これを回して内部のレンズを動かし、フォーカスを合わせるのである。

 これがなかなか慣れると具合がいい。レンズを支える左手の指の動きが最小限で済むので、意外に構えも安定するのだ。

 ついでにレンズにプレートが1枚ささっているが、これが絞り。当時のレンズは今のような絞り機構は持たないので、その代わりに絞りプレートを挿入して使うのである。

 まあそういうカメラのややこしい話はおいといて、それで撮ったのが冒頭の写真。この写真にこのレンズの特徴が表われているのだ。

 レンズ中央部はシャキッとしててすごく写りがいいのだが(1840年に設計されたとは思えないくらい)、その分周辺部の収差やフォーカスが合ってない箇所のボケ方がすごい。

 その派手なボケをうまく使うことで、より被写体が浮かび上がるような写真を撮れるわけである。

 Photoshopでフィルターかけたわけじゃなくて、このレンズで撮ると最初からこうなのである。

 それが面白くて猫を撮りまくってみたのだ。

警戒してタタタッと逃げた猫は、様子を伺うべくこちらを見て一瞬止まる。その止まった隙に撮った1枚。手前の木々が大きくボケてくれたおかげで猫に目が行く写真になった(2018年4月 富士フイルム X-T2)
警戒してタタタッと逃げた猫は、様子を伺うべくこちらを見て一瞬止まる。その止まった隙に撮った1枚。手前の木々が大きくボケてくれたおかげで猫に目が行く写真になった(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 遠くにいて目立たない猫でもこのレンズの手にかかればこう。

 中心に向かってぐわっと画像が流れるおかげで中心部の猫が目立つのだ。

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