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山根博士の海外モバイル通信 第390回

巨大バッテリー内蔵で2日使える世界対応ルーターは日本にも対応

2018年04月19日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

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fonebudのグローバルルーター

 日本を含む世界各国均一料金で使えるグローバル対応のモバイルルーターが少しずつ増えています。eSIMなどを内蔵し、SIMの差し替えも不要。電源を入れるだけで現地の電波を拾い、リーズナブルな料金でデータ通信が利用できます。

 マレーシアのfonebudはこの夏にグローバルルーター「fonebud W」を発売します。世界約90ヵ国で4Gのデータ通信が可能。もちろん日本も対象国に入っているので、訪日客にも便利な製品です。技適も通す予定とのことなので、今後は日本でいざというときに1日単位で使う、といったこともできるでしょう。

マレーシア発のグローバルルーター「fonebud W」

 製品の特長はそのサイズ。海外旅行に持ち出すルーターですから、小型のほうが使いやすいと思うでしょう。ところが小さいサイズや薄型のものはバッテリーを大きくできません。fonebud Wは本体サイズが6型クラスのスマートフォンと変わらず、厚みも約2㎝とかなり大型。しかし10000mAhものバッテリーを内蔵しているので、1日中外出していても電池切れの心配がありません。連続使用時間は36時間とのことで、夜はホテルで電源オフにすれば2日間は使えるでしょう。

本体は大きく内蔵バッテリーも10000mAhと大容量

 本体の片面にはディスプレーを搭載。電波状態、電池残量、SSIDなどが表示されます。また使用中はデータ利用分の残量も表示されるとのこと。

ディスプレーには必要情報を表示

 これだけ大きいバッテリーをルーターだけに使うのはもったいないです。USB端子を1つ備え、モバイルバッテリーとしても利用可能なのです。USB端子はもう1つほしいところですが、それは今後の後継機に期待したいところ。

側面のUSB端子からスマートフォンなどを充電可能

 そしてこの大きさを活かして、本体の片面にはワイヤレス充電台を備えているのです。USBケーブルを忘れても、スマートフォンを置くだけで充電できます。実際海外滞在中に、ホテルにケーブルを置いてきてしまったり、外で紛失してしまうことはよくあります。ワイヤレス充電ができればケーブルが無くてもどこでも充電できます。これは結構便利かも。

本体の片面はワイヤレス充電パッドになっている

 マレーシア発という珍しいグローバルルーターですが、同国といえばLCCのエアアジアの本拠地。東南アジアの消費者もいまや海外旅行や出張は日常的なこと。CEOのSunny Koay氏は「日本でも販売したい」と意気込みを語ってくれました。

同社は香港のトレードショーに出展。fonebudのSunny Koay CEOは日本でも発売したいとコメントしてくれた

 気になる料金は本体が149ドルで、これに日本を含むアジアを中心とした17ヵ国で16GBの無料データが付いてきます(4GB×4ヵ月)。料金を考えるとこのまま使い捨てしてもいいくらい。そして各国の通信料金は、日本を含むアジア17ヵ国が90日4GBで25ドルなど。他にも1日から数日単位での各国プランもあります。充電環境の悪いエリアへ行くときなどに威力を発揮できる、1台2役をこなすグローバルルーター。日本発売をぜひ期待したいものですね。

日本での正式発売が待ち遠しい!

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