Z370以外のIntel 300シリーズが発売
さらにZ390が控える
Z370に続き今年4月に発表になったのがIntel 300シリーズだ。こちらはなぜかコード名が不明(XXXXX Pointだと思うのだが)であるが、大きな違いは以下のとおり。
- 製造プロセスが14nmに移行
- USB 3.1 Gen2に対応
- オンチップでIEEE 802.11acのワイヤレスモデムを内蔵
スペックそのものはジサトライッペイ氏のレポートにもあるが、PCI Expressのレーン数はH370やQ370で30本に達している。
USBのポートがややわかりにくいが、たとえばH370の場合以下のようになっている。
- USB 1.1/2.0/3.1 Gen1/3.1 Gen2合計で14ポート
- うち、USB 3.1 Gen1対応が8ポート
- うち、USB 3.1 Gen2対応が4ポート
ワイヤレスに関してはIEEE 802.11acの2x2 MIMOに対応しており、こちらは最大1.73Gbps(あくまで理論値)の転送速度を持つことになっている。目立たないところでは、オーディオがIntel 200シリーズまでのHDA(High Definition Audio)から、Intel SST(Smart Sound Technology)に切り替わった。
こちらはDSPを内蔵しており、このDSPを使ってオーディオ処理をオフロードしたりできると説明されているが、既存のアプリケーションでどこまでこのSSTを有効活用できるのかは未知数だ。
このH370の下位グレードとして、コンシューマー/ビジネス向けの共用としてB360がポジションされ、H310はCeleron/Pentium Gold向けに大幅に機能を落とした形で提供される。
特にこのH310利用時は、メインメモリーもメモリーチャネルあたりDIMMが1枚(それ以外のSKUはすべてチャネルあたり2枚)に制限されるあたりは、完全に低価格向けに振った形だ。
Intel 200シリーズの時代はこのポジションをB250が担った形だが、インテルの予想に反してB250がバカ売れし、果てにはマイニング向け製品まで登場するようになった。
そこで、B360では位置づけをもう少し引き上げ、本当にローエンド向けに拡張性の少ないH310を追加したというあたりではないかと思う。PCI ExpressをGen2にわざわざ落としたのは、マイニング用に使われないようにするためだろう。
さて、これで一段落した……わけではなく、Intel 300シリーズのトリを飾るZ390が今年後半(おそらく10~11月)に予定されている。こちらはIntel 300シリーズの最上位であって、Z370の後継となる。
本来ならこれも同時に発表したかったのだろうが、Z370を投入して半年未満で新しいチップセットを投入するのは、さすがにマザーボードベンダーからの反発が大きいのは容易に想像が付く。
マザーボードベンダーは段階的に現在のZ370の在庫を減らしていき(どのみちハイエンド向けなので、初速は早いだろうが、普及が進むと当然もっと安い製品に流れていく関係で売れ行きが落ちる)、夏の終わりあたりから在庫を処分してZ390の投入に備えることになると思われる。
厄介なのは、通常ハイエンドマザーボードを投入する際には「新しいハイエンドCPUもご一緒に」といった売り方をしてきたが、今回これに相当する弾が良く見えないことだ。Coffee Lake Refresh、あるいはCascade Lake-Sのようなものがなにかしら一緒に投入される気がするのだが、現状ここははっきりしない。
ちなみにX299の後継が2018年中に出ることはなさそうだ。次はIceLake-SPの世代になる予定で、Cascade Lake-SPの世代はX299のままBIOSアップデートで対応になると思われる。
Ice Lake-SPはLGA 4189で、8chのDDR4を利用できる化け物プラットフォーム(といっても、AMDのEPYCと同等レベル)になる予定で、当然マザーボードごと入れ替えになるが、こちらは早くて2019年。下手をすると2020年までずれ込みかねない。このあたりはインテルの10nm次第ということになる。
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