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山根博士の海外モバイル通信 第381回

1日240円から! 五輪に合わせてか ローミングよりオトクなプリペイドSIMが韓国でも

2018年02月16日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

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 冬季五輪が開催されている韓国。外国人渡航客用のプリペイドSIMが数社から販売されていますが、価格はあまり安いものではありませんでした。コンビニなどで販売されているMVNOの「KT M Mobile」のプリペイドSIMは1GBで34000ウォン(約3400円)、2GBで49000ウォン(約4940円)。数日の滞在なら日本の大手キャリアのローミングサービスを使ったほうが安上がりかもしれません。

KT M MobileのプリペイドSIMはあまり安くない

 ところが五輪開催に合わせたのか、データが定額で使え料金も安いプリペイドSIMが発売されました。しかも販売しているのは大手キャリアの「LG U+」。韓国では3キャリアのうちのシェア3位ですが、全国にLTEネットワークを構築しており、回線品質は問題ありません。

LG U+が新たにプリペイドSIMを発売

 LG U+のプリペイドSIMが販売されているのは仁川国際空港の同社カウンター。仁川国際空港は2017年1月18日に新しくターミナル2がオープンしましたが、ターミナル1と合わせ、どちらのLG U+のカウンターでもプリペイドSIMが販売されていました。

仁川国際空港のLG U+カウンターで販売中

 料金体系は4つあり、価格はリーズナブル。いずれもデータ通信は定額です。

  • 5日間:27500ウォン(約2720円、1日約540円)
  • 10日間:38500ウォン(約3810円、1日約380円)
  • 20日間:60500ウォン(約5980円、1日約300円)
  • 30日間:71500ウォン(約7070円、1日約240円)

 日本の大手キャリアの1日データローミングはキャンペーンで1000円程度ですから、5日用を3日間しか使わなくても十分安いですね。30日用なら1日当たりわずか240円と格安になります。

ローミングよりも安い料金体系

 ただし、対応端末が限定されているので注意が必要です。SIMフリー機であることはもちろんですが、メーカーはLGまたはアップルしか利用できません。他社のスマートフォンの場合は、おそらくIMEI番号でメーカー名が判別され、利用できないのです。日本からの渡航を考えると、実質的にはiPhoneしか使えないと考えていいでしょう。

今回はiPhone 7香港版で利用

 SIMの購入は簡単で、パスポートを提示の上でクレジットカードで支払います。SIMの受け取りと同時に契約書をもらいますが、SIMは使い切りで返却の必要はありません。端末へのSIMのセットもカウンターのスタッフが行なってくれます。

 SIMを入れるとすぐにデータ通信を開始してくれました。通信速度はソウル駅近辺で計ったところ下り70Mbps程度、上り15Mbps程度でした。テザリングもできるので複数台のスマートフォンやタブレット、ノートPCなどからも利用できます。

通信速度は十分なレベル

 なおLG U+が採用するLTEのバンドは以下の通り。

  • Band 1(2.1GHz)
  • Band 5(850Mz)
  • Band 7(2.6GHz)

 今回は香港版のiPhone 7でテストしましたが、日本発売のiPhone Xなどは上記バンドに対応しているので、LG U+のプリペイドSIMも問題なく利用できるでしょう。日本でもこれくらい安いインバウンド客向けのプリペイドSIMが発売されるといいですね。

山根康宏さんのオフィシャルサイト

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