このページの本文へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第441回

Ryzen APUは2月、第2世代Ryzenは4月に発売 AMD CPUロードマップ

2018年01月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

GPUのオーバークロック性能がアップ

 セッションでは、CPUだけでなくGPUのオーバークロック性能が高いこともアピールされた。下の画像がその結果である。

オーバークロック性能。ちなみにDDR4-3600のプロファイルはCL16-16-16だが、細かいパラメーターをいろいろいじる必要があったとのこと

  • 何もしなくてもメモリーをDDR4-2400からDDR4-3200にするだけで3DMark FireStrikeのスコアが400アップ
  • GPUクロックを1300MHz→1550MHzに引き上げると、さらにスコアが300アップ
  • メモリーをDDR4-3600まで引き上げ、GPUクロックも1675MHzに引き上げると、ついにスコアが4000超えとなる

 4000超えといえば、GeForce GTX 750程度ということで、がんばればこの程度までの性能があることになる。もちろんこれはKabyLake-Gには遠くおよばない(なにしろ向こうは24CUで、しかもHBM2をローカルで搭載している)が、200ドル未満で購入できるCPUでもがんばればこの程度まで行ける、という目安にはなるかと思われる。

 AMD自身の公式発表としては、Intel Core i5-8400+NVIDIA GeForce GT 1030の組み合わせとRyzen 5 2400Gが3DMark TimeSpyでほぼ同等のスコアになるとしている。

ちなみに TimeSpy/FireStrikeでの実際の数値は、Core i5-8400 419/1118、Core i5-8400+GeForce GT 1030 1234/3349、Ryzen 5 2400G 1231/3276だったそうである

ストレージを高速化する
FuzeDriveをサポート

 CPUとは直接関係ないがついでに公開された内容を2つ。1つはFuzeDriveのサポートである。FuzeDriveは、高速小容量なストレージと低速大容量なストレージを組み合わせてアクセスを平均的に高速化する、Enmotusが提供するツールであるが、Ryzen/Ryzen Threadripperのシステムではこれを無料で利用できるとのこと。

ちょうどIntel SRT(Smart Response Technology)が提供しているものに近いが、ドライブの構成はもう少し柔軟性がある。例えばSSDとHDDを組み合わせた場合、OSからはそれが1つのドライブとして見えるという話であった

 OSの起動やアプリケーションの起動を高速化できるということだ。ちなみにグラフの結果は、SeagateのBarracuda 500GB HDDをブートドライブとし、ここにSamsung 950 Pro NVMeを組み合わせた結果だそうだ。ちなみにRyzen向けと通常向けで機能が違うわけではないという話であった。

Ryzenではなく、例えばBristol RidgeベースのAPUでもこれは利用可能だが、Socket AM3では無理という話だった

 説明ではAMDユーザーはこれを無償で入手できるとされていたのだが、当該ページでは19.99ドルでの購入になっているのが不可解ではある。

新リファレンスクーラー
Wraith Prism

 もう1つはCPUクーラーの「Wraith Prism」である。特徴はRGB LEDをリング状に搭載したこと(とはいえそれをウルサイと感じるユーザーのために、スイッチで発光を止めるDark Modeも搭載される)だが、それよりも大きいのは小型化である。

CPUクーラーの「Wraith Prism」。ファンの羽の材質がトランスルーセントなので、RGB LEDを通して光の渦(Vortex)も表現できると説明があったが、そんな機能要るのだろうか?

 従来のWraith MAXでは、とくにMini-ITXのように基板面積にゆとりのないマザーボードの場合、メモリースロットがぎりぎりのところにあるためDIMMなどと干渉することがあった。

 Wraith Prismではヒートシンクとファン部を小型化。冷却性能を損なわないように、ヒートパイプがCPUと直接接触するダイレクトタッチ構造とすることで、こうした小さなシステムでも利用できるように配慮したとのことであった。

カテゴリートップへ

この連載の記事