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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第441回

Ryzen APUは2月、第2世代Ryzenは4月に発売 AMD CPUロードマップ

2018年01月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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Radeon内蔵のRyzen APUは
2月12日に発売

 さて、一番興味ある部分はデスクトップ向けのRyzen APUであろうかと思われる。モバイル向けの出荷が無事開始されたことで、次はデスクトップ向けとなった。そのRyzen APUであるが、2月12日に「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」の2製品が、それぞれ169ドルと99ドルで発売されることが明らかにされた。

このRyzen 3 2200Gの99ドルはかなりお買い得といえる。性能価格比を考えるとインテルのCore i3とPentium Gold/Celeronに対してかなりのアドバンテージがあると思われる

 この結果、2018年は同社の製品はRyzen 3とRyzen 5でAPUとディスクリートCPUの両方が用意される形になる。ちなみにパッケージについても、APUはそれが明確にわかるように変更される模様だ。

さすがにRyzen 7に関してはAPUは用意されないが、これは理解できる

パッケージ上部にシルバーの“PROCESSOR WITH RADEON VEGA GRAPHICS”の文言とVEGAのロゴが追加されている

 このRyzen APUの性能に関してが下の画像である。もちろん4K解像度でのプレイは論外であるが、フルHDまでの環境であればそこそこ使えるレベルの性能になっているのがわかる。

一般的なアプリケーション性能の比較。Ryzen 3 2200GはRyzen 3 1200とほぼ同等、Ryzen 5 2400GはRyzen 5 1400をそれなりに上回る

SPECViewperfの結果。CPU性能よりもGPU性能の方が効果的なテストで、競合と位置づけられるCore i5-8400やCore i3-8100を上回る

Ryzen 5 2400Gによる、1080Pにおける主要なゲームのフレームレート。Witcher 3はさすがに厳しいが、Skyrimだと軽々動く、といったところか

Ryzen 3 2200Gだと全般的にフレームレートは下がり気味である。とはいえ、設定次第では十分プレイ可能な性能が出ている

従来製品の価格を改定

 また今回の発表にあわせて、従来製品の一部を値下げしている。もっともこれは、競合製品と比べて価格競争力を増すという側面のほかに、Zen+コアの製品の出荷前に、既存のZenコアの製品をある程度在庫処分してしまいたい、という意向もやや感じられる価格付けではある。

基本的にはインテルの競合製品よりもやや高値がついているものについて、これを同レベルまで落としたという感じである

 幸い、Zenコアそのものはこの後も継続して生産・出荷される(主にサーバー向けのEPYCと、長期供給保障のついたRyzen PRO向けであるが)予定なので、あわてて処分する必要もないわけで、その意味ではそれほど極端に価格が下がっているわけでもない。

 とはいえ、Ryzen ThreadRipper 1900Xでは100ドル、Ryzen 7 1800Xでは150ドルの値下げなわけで、これは結構お買い得感は高いと思われる。

 ただ逆に言えば、現時点でここまで値下げしてしまうと、今後Zen+コアが登場した時に既存のZenコア製品が大きく値下げされる、という望みは薄いと思われる。

 その意味ではこの価格改定が行なわれた今が買い時と言えるかもしれない。その新価格における、200ドル未満の製品での性能比較が下の画像で、インテル製品に比べて高い競争力を持っているというのがAMDの主張である。

200ドル未満の製品での性能比較。これをみてみると、Ryzen 3 1200やRyzen 5 1400の立つ瀬がない気もするのだが、このあたりはZen+コアで刷新されるので問題ないということだろう

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