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リシンク、人間の隣で動作しても安全なロボットの最新版を発表

2017年02月09日 07時42分更新

文●Michael Reilly

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リシンク・ロボティクスが発表した一本腕の産業用ロボット「ソーヤー」の最新版は、動作をきめ細かく制御できる。「やって見せて覚えさせる」機能で、プログラムの専門家でなくても動作を指示できるのも特徴だ。

リシンク・ロボティクス(協働型産業用ロボットの先駆者)が自社製ロボット「ソーヤー(Sawyer )」を大幅にアップグレードした。複雑な作業工程をプログラムの専門家でなくても個々の動作として覚えるように設計されており、企業は制御ソフトの最新版「Intera 5」によって、安全で簡単に人間と一緒に働ける工場ロボットの可能性に気づくだろう。

リシンクの創業者であるロドニー・ブルックスCTOが「行動エンジン」と呼ぶIntera 5の中核部分は、本質的にはプログラム可能な決定木であり、調整によって一本腕のソーヤーはさまざまな作業をこなせる。

IEEEスペクトラムの記事にあるとおり、以前のInteraではソーヤーの決定木のほとんどはユーザー企業には秘密にされていた。一方でIntera 5は、ソーヤーの振る舞いのひとつひとつを正確にユーザーに示すため、グラフィカルなインターフェイスを採用した。またユーザーはソーヤーの動作を好きなように変更できる。ソーヤーに新たな手順を直接プログラミングしたり、動画にあるように、ソーヤーの「やって見せて覚えさせる」機能により、アームや手に取り付けられた工具の正しい手順を指示したりできるのだ。

リシンクの最初の製品(2本腕ロボットの「バクスター」)はあまり売れなかった。しかし、圧力センサー等を使えば、人間に危害を加えずに、ロボットは工場内の作業をこなせる考えの正しさは証明された。また、バクスターは研究者には人気があり、ロボットに新しい作業を教える多くの研究で使われている。

ソーヤーはブルックスCTOが小型・高速化し、精度を高めたロボットであり、バクスターよりもずっと人気があるという。ただし、Intera 5がソーヤーを工場になくてはならない、使い勝手のいい労働者に変えるキラーアプリになるかは、まだわからない。

(関連記事:IEEE Spectrum, “How Robots Can Quickly Teach Each Other to Grasp New Objects,” “Rethinking the Manufacturing Robot”)


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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