24時間仕事ができる、ポメラ「DM200」
—— 今使っている「DM200」は、1台目なんですか? それとももう、2台目、3台目の「DM200」を買っているとか?
芝村 「DM200」はまだ1台目です。実は、ちょっとだけ迷っているところがあって。
—— 迷っているところ?
芝村 「DM200」は、電源オフ状態からの起動が4.5秒かかるんです。「DM100」のほうが若干速いんですよ。
—— 4.5秒って、十分高速ですよ?(笑)
芝村 自分にゲームで遊ぶ隙を与えないために、もうちょっと起動を速くしてほしいなあー、と(笑)。でも、いったん起動し終えると、これまでよりもグッと良くなっているんですよね。
—— 「DM200」を実際に使ってみた印象を教えていただけますか?
芝村 処理能力が高くなったのがとてもいいですね。1ファイルで扱える文字数に近づいても、もたついたりすることがなくなっています。「DM200」はそこがいいです。日本語を扱うには、ある程度処理能力が必要なんだなと実感します。
新機能の「アウトライン」も使いやすいです。忘れっぽい人や、あるいは細切れに文章を書いたりする人に向いてます。
これまでも付箋機能はあったのですけど、1万文字前に戻ったりするのが大変だったんですね。アウトライン機能でポンポン移動できるようになったので便利です。
あと以前は、カレンダーのスケジュール機能には8000文字書き込めたので、それを使って擬似的に2画面表示状態にして小説のメモを書いていたのですけど、アウトライン機能のおかげでその必要もなくなりました。
バッテリー内蔵になったおかげで、充電しながら電源の心配をすることなく仕事ができるのも、非常にいいですよ。これまでは、電池交換の時に仕事を中断して眠ってしまうことが多かったので、ついに科学の力で24時間仕事ができるようになった(笑)。おっと、キングジムさんはさらに攻めてきたな、と。
取材に持っていって、万一盗まれてもそう痛くない価格帯であるのも絶妙ですよね。ただ、作家には宝物なんですけど、ごく普通の泥棒にとってはそこまで価値があるようにはみえないかもしれません。
使いどころさえ間違えなければ、稼げますよ
—— 最後に、「ポメラ」の魅力を読者の皆さんにお伝えいただけますか?
芝村 日本語のテキストが入力できることですよね。日本語を打つしかないことです。機能面での優劣や、多機能性どうこうではないと思うんですね。インターネットに接続できない、フリーセルができないとか、いろいろ“できないこと”によって専門化して、ユーザーを引きつけていますし、私も使い続けると思います。
例えば、スマートフォンとカメラのどちらでも写真は撮影できますけど、カメラは写真しか撮れない単機能性が利点ですよね。同じように、「ポメラ」を使えば作家になれるわけではないですけど、文章を書き連ねることはできる。それも、暇つぶしのアイテムではなく、何かをしなければならない方のためのツールです。
「買ってもいいかな?」ではなく、「買わなければいけない」方のための、非常にいい製品だと思います。使いどころさえ間違えなければ、稼げますよ。