10月6日、プラスワン・マーケティングが開催した「FREETEL」の発表会では、最近のトレンドを矢継ぎ早に採り入れていくスタイルが健在でした。
業界トレンドを次々とスピード採用
発表会では、新サービスを続々と発表。大手キャリアに端を発した「大容量プラン」をさっそく採り入れ、最大50GBまで拡充。データの繰り越しや追加購入も可能になり、電話かけ放題アプリは他キャリアの音声SIMにも対応することが明らかになりました。
海外では、今後進出する中南米8カ国を含め18カ国に展開。東南アジアや中南米の国々でFREETELの端末が売られていることが分かります。
一方国内では、大手キャリアがキャッシュバックをやめたことでMNPはやりづらくなっています。これに対してFREETELは半年ごとに機種変更できる「かえホーダイ」プランを発表。端末を取っかえ引っかえしたいマニア需要に応えてくれそうです。
注目は、機種変更前の端末を返却することで、割賦の支払いが免除される点。その中古端末はどこへ行くのかというと、海外市場に流す展開も考えているとのこと。このあたりに海外市場にもチャネルを持つFREETELならではの強みが見えてきます。
発表会後の囲み取材では、「Twitterなどのパケット無料化で、金額的にどれくらい得をしたのか確認する方法はあるか?」との質問に対して、増田社長は「それはいいアイデアですね、やりましょう」と回答。かつてソフトバンクの孫社長が得意としていた「やりましょう」のお株を奪いつつあります。
そろそろ厳しい指摘が増えてくる時期に
こうした施策を打ち出すことでFREETELの存在感が高まる一方、厳しい指摘が増えてくる時期にも来ています。
たとえばFREETELは、今回発表した新フラグシップ端末「KIWAMI 極 2」の価格やスペックを、ファーウェイの「HUAWEI P9」やASUSの「ZenFone 3 Deluxe」と比較しています。しかしこれらは春夏モデルとして発表されたもので、12月発売のKIWAMI 2と比べるのはアンフェアではないか、との指摘があります。
電話かけ放題の新サービス「だれでもカケホ」の名称にも、疑問の声が上がっています。「カケホ」はKDDIの登録商標であり、それをサービス名に含めるのは商標侵害にあたる可能性があるという指摘です。
大手キャリアはこうした名称を決める上で多大なコストをかけており、商標登録した上でプロモーションに活用しています。マンションの一室で創業した頃ならともかく、いまやFREETELは量販店の売り場でKDDIの目と鼻の先に売り場を構える存在。このままでは、KDDIとしても何らかの対応を取らざるを得ない可能性があります。
ただ、FREETELは「music.jp」と提携したときのように、問題が起きそうなときに軌道修正する判断力には優れており、今回もうまく対応してくるのではないかと予想しています。
他業界との提携で「メジャー路線」に進出か
現在でもヨドバシカメラの携帯電話コーナーにはひときわ目立つ場所にFREETELの売り場があり、お店を訪れるたびに意識せざるを得ない存在になっています。
最近では東京ガスとの提携が報じられ(FREETEL側は「協議中」とだけコメント)、JTBグループとは外国人旅行者向けにスマホを貸し出す実験を始めるなど、他社との提携話も増えています。モバイル業界内にとどまらないメジャー路線への進出が、当面は続きそうです。
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