Xbox OneでUWP(Universal Windows Platform)アプリが動作するというのは、Windows 10発表時の公約というか、そもそもUWPの存在意義の1つだった。実際にXbox Oneのシステムソフトウェアは、Windows 10ベースになったが、これまでは利用できるアプリはSkypeやOneDriveなど限定されたままだった。
しかし、Windows 10の次期アップデートである「アニバーサリーアップデート」(Red Stone 1、以下RS1)のタイミングで、Xbox OneでもUWPアプリが動作できるようになる可能性が出てきた。
というのも、Xbox OneでUWPアプリのデバッグを可能にする「Dev Mode Activation」アプリの配布が開始されたからだ。これは、Xbox Oneで動作するUWPアプリを開発する場合に利用するもの。現時点では、開発者向けの機能だが、こうした機能が一般に開放されるというのは、Xbox OneでUWPアプリが動作する状態になることが近いからだと想像される。
Xbox OneでUWPアプリの動作確認が可能な
開発者モードへの切替が可能に
現在のXbox Oneのシステムソフトウェアには、Windows 10 TH2をベースにしたものが使われている。ただし、Xbox Oneは、Hyper-Vを使って2つの仮想マシン(パーティション)を作り、ゲーム専用のExclusiveOSとホーム画面などを表示するShared OSの2つを動かしている。
Hyper-Vでは、プライマリパーティションでホストOSとなるWindowsを動作させ、ここから物理デバイスへのアクセスをまとめて行なう。他のパーティションからのデバイスアクセス(あるいはデバイスを利用するAPI)は、Hyper-Vがこれを解釈してプライマリパーティション側のWindowsに代行させる。Xbox Oneでは、Shared OSがプライマリパーティションに相当すると考えられる。
Shared OS側で動作しているWindowsでは、Xboxシェルと呼ばれる専用のシェル(Xbox Oneのホーム画面を表示しているソフトウェア。Windows 10ではエクスプローラーに相当)が動作しており、通常のWindowsとは違った環境が提供されている。
Xboxストアから無料で入手可能な「Dev Mode Activation」というアプリを動作させ、ソフトウェア開発登録したマイクロソフトアカウントを使うことで、Xbox OneをDev Modeが利用可能な状態とすることが可能だ。同時に、Xbox Oneには、プレビュー版RS1(現在は、Build 14290ベース)がインストールされる。
こうしたことから、Xbox OneでのUWPアプリの利用開始は、RS1以降になると考えられ、今夏にPC向けに提供される「アニバーサリーアップデート」(Red Stone 1)のタイミングがXbox OneのUWPアプリ解禁のタイミングと考えることができる。
Dev Mode Activationを行なうと、Xbox Oneは、「リテールモード」と「開発者モード」の2つの状態を切り替えて起動するようになる。前者は、通常のXbox OneのモードでシステムソフトウェアのベースがRS1になり一部の機能が制限されるだけで、基本的にはDev Mode Activationを行う前のTH2と同じ状態となる。もちろん、ここではXbox One専用ゲームアプリを起動することができるし、XboxストアやXbox Liveも普通に動作できる
これに対して開発者モードに入ると、Xboxストアは、簡単なサンプルアプリ程度しか表示されなくなり、リテールモードでインストールしたアプリなどはすべて見えなくなる。ここで可能なのは、Visual Studioで開発したUWPアプリを動作させることだ。
また、開発者モードでは、Dev Homeと呼ばれるアプリが利用できる。これは、開発者モードからリテールモードへの切り替えや開発者向けの情報表示などを行うアプリだ。
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