グーグルは9日(現地時間)に、次期Androidとなる「Android N」の開発者向けPreview版(Preview 1)を公開した。Nexus 5X/Nexus 6/Nexus 6P/Nexus 9/Nexus Player/Pixel C向けにファクトリーイメージが用意されているほか、「Android Beta Program」にログインすることで、OTAでのアップデートも可能である。実際にNexus 6に適用したので、本記事ではその画面を中心に紹介する。
昨秋Android 6.0(Marshmallow)がリリースされる前には、やはり「Android M」としてPreview版が提供されたが、最初のバージョンが公開されたのは開発者向けイベント「Google I/O」に合わせた昨年5月だったので、それよりも2ヵ月以上早いスタートとなる。
今後は4~6週に1回のペースで新バージョンがリリース予定。Preview 1はアルファ版の扱いだが、Preview 2でベータ版となり、Preview 4でAPIなどが確定、最終テストのPreview 5を経て、第3四半期にも正式版が登場予定だ。また、例年どおりであれば、そのPreview版の途中で、正式なバージョン名(Android 7.0? 6.5?)、そして“N”で始まるスイーツから取ったコードネームやイメージイラストが発表されるはずだ。
さて、Android Nで目立つ新機能としては、「マルチウィンドウ」がある。すでに独自仕様として、各社のAndroidスマホで同様の機能が利用できるケースは見られたが、あらためてAndroid本体に盛り込まれることになった。
マルチウィンドウ機能を利用するには、アプリを起動した状態で過去のアプリ履歴を表示する「□」ボタンを長押しする。すると画面が分割され、履歴から2つ目のアプリを選択できる。縦画面では上下、横画面では左右で分割される。
イマイチ使い勝手が悪かったアプリ履歴画面自体も改良。アプリのウィンドウ表示を大きくして、現在どういう状態であるかをわかりやすくしたほか、再度「□」ボタンをタップすることで、元の画面に戻るのではなく、過去のアプリへと切り替える動作に変更されている。
内部的には、Android 6.0で搭載された、スリープ中のバッテリー消費を削減する「Doze」モードを改良。アプリ開発者がDozeモードへの対応をしやすくしたほか、バックグラウンド作業の効率化、またディスプレーをオフにした状態でもバッテリーを節約する。
通信量を節約する「Data Saver」モードも用意されている。これはオン/オフをユーザーが設定するもので、オンにするとバックグラウンドで動作しているアプリのデータ通信に制限を加えるようだ。メッセンジャーアプリなど制限があると正しく利用できないものについては個別に設定を変更できる。
見た目的にはすごく大きな変化があるわけではないが、正式版のリリースはまだ先。今後のPreview版でも変更点があるはずなので、引き続きレポートを予定している。