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航続距離750km! ホンダの燃料電池車「クラリティFUEL CELL」発売!

2016年03月10日 21時40分更新

文● 山本晋也 編集●ASCII.jp

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ライバルはトヨタMIRAI?
一年遅れのアドバンテージは乗車人数の違いにあり

 次世代のエコカー、走行時に有害な排気ガスをまったく出さないゼロ・エミッションビークルとして、水素を燃料に発電する燃料電池車は長年注目を集め続けている。実験レベルでのリース販売は10年以上前から実現しているが、なかなか市販とはいかなかった。

 そうした状況に風穴を開けたのがトヨタ。2014年11月に、ご存じ「MIRAI」を初めて一般向けに発売したのだ。そのお値段は723万6000円(税込)。とはいえ、水素ガスを充填して、酸素と化学反応させて電気を得て走るという燃料電池車は、電気自動車に対して満タン状態からの航続距離が長いのがメリット。電気自動車では200~500kmだが、MIRAIの航続距離は650km(JC08モード・トヨタ調べ)なのだ。

いかにも空力性能を重視したことが感じられるクラリティ FUEL CELLのボディライン。左側に見えるのは燃料電池によって家電などを動かすための外部給電器「パワーエクスポーター9000」(118万円)

 そのMIRAI登場から1年4ヵ月。ついにライバルとなるモデルが登場した。それがホンダから発表された「クラリティ FUEL CELL」(以下、クラリティ)だ。思えば、トヨタが初代「プリウス」を発売したのに続いて、ハイブリッドカーを市販したのもホンダだった。まずは日本国内でのリース販売(2016年度内200台程度)からスタートするクラリティだが、発表会の会場では左ハンドル仕様のカットモデルを展示するなど、グローバル展開は間近であることを感じさせる。

リアシートの後ろ(117L)と床下(24L)に水素タンクが配置される。70MPaの高圧に耐えるため、アルミを繊維で巻くという非常に頑丈な構造で、2つ合わせた重さはFCスタック+駆動モーターに匹敵するという。

 さて、クラリティのメカニズム上の特徴は、燃料電池車の心臓部といえるFCスタックをはじめ、駆動モーターまですべてをフロントのボンネット内に収めていることだ。そのメリットはパッケージの余裕に現れる。ライバルというか、現時点で唯一の比較対象となるMIRAIはFCスタックを室内(フロントシートの間)に置いていることもあり、4名乗車なのだが、クラリティはしっかりと5人乗りを実現しているのだ。

駆動モーターとその制御系を1階に、その上に水素と酸素を反応させるFCスタックを置いた2階建て構造のパワートレイン。ぎっしり詰まっているが、どこかエンジン的な風情もある

 また、通常のエンジン(V型6気筒)相当というサイズに燃料電池と駆動モーターを凝縮したことにより、ボディの自由度は上がった。つまり、燃料電池車専用のプラットフォームでなくとも展開できる可能性があるのだ。実際、クラリティのプラットフォームはプラグインハイブリッドへの応用できるという。現在は少量生産となっているクラリティだが、量産ボディをベースとした燃料電池車の可能性が見える。

 パワフルなだけでなく効率にも優れたシステムとしたうえで、リアタイヤの上端をボディが隠すようなスタイルからも想像できるように空力性能にもこだわり、走行抵抗を軽減。水素を満タン(141リッター:約5kg)にした状態での航続距離は750km(JC08モード・ホンダ調べ)と、MIRAIを凌駕している。

テレマティクスタイプのホンダインターナビを標準装備。Apple CarPlayにも対応している。中央に見えるスイッチ群は、いわゆるシフト操作系。前進を示すDのボタンはホンダのエンブレムを模したアウトラインになっている

 メーカー希望小売価格は766万円(税込)。5人乗り、航続距離が長いとはいえ、MIRAIよりも高価になっているが、ひとまずリース販売から始まり、一般向けの販売は先となるという。企業がリースすることを考えると、この価格差は実質的にはそれほど問題にならないと判断しているのだろう。そして何より、トヨタMIRAIは大量のバックオーダーを抱えており、いま頼んでも納期は2019年以降になるという。

 いま手に入る燃料電池車としては、ある意味でライバル不在といえるのが、ホンダから新登場した「クラリティFUEL CELL」なのである。

手前に見えるのが新登場した「クラリティ FUEL CELL」で、奥に見えるのは、その前身といえる「FCXクラリティ」。いずれも空力性能を優先したフォルムとなっていることが理解できる

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