キャリア経由でのFirefox OSスマートフォンの販売を打ち切ることを明らかにしていたMozillaが、より詳細な計画を発表した。スマートフォン向けのFirefox OSの開発は5月に公開予定の「Firefox OS 2.6」をもって終了し、IoTにすべてのエネルギーを注ぐ。
Mozillaでコアコントリビューター担当トップを務めるGeorge Roter氏がコネクテッドデバイス担当John Bernard氏と連名でコミュニティー向けに送った電子メールにより明らかになった。
Mozillaは2015年12月にFirefox OSの方針を変更し、キャリア経由でのFirefox OS端末の発売は終了し、今後はスマートフォン向けではなくコネクテッドデバイス向けフォーカスすることを発表していた。今回の決定はそれに続くものとなる。
スマートフォン向けFirefox OSに関連した大きな決定事項としては、以下の2点が発表された。
・Firefox OSはバージョン2.6をリリースの後、スマートフォン向けの開発を打ち切る。
・3月29日時点でアプリストア「Mozilla Marketplace」にAndroid、デスクトップ、タブレット向けのアプリを登録できなくなる。またFirefox OS向けではないアプリは削除される。Firefox OSアプリは2017年までは受け付ける。
5月以降スマートフォン向けのFirefox OSを開発するスタッフはいなくなるという。なお、前身の「Boot to Gecko」は今後もオープンソースのOSとして公開し、貢献を受け付けるとしている。
コネクテッドデバイスチームが受け持つIoT向けの取り組みについては、すでに新しい製品イノベーションのテストを行っており、スマートTVなど3製品が最初の関門を通過したとのことだ。2016年前半にも正式なプロセスを公開したいとしている。
今後も継続するというFoxfoodingプログラム(Firefox OSの最新ビルドをテストしてフィードバックや利用データをMozillaに送るプログラム)についても、スマートフォンよりも新しい製品にフォーカスするとしている。ソニーの「Xperia Z3 Compact」がFoxfoodingデバイスとして利用できると予想しているが、3月以降に詳細を明らかにする予定だ。
電子メールでは、AndroidとiOSを示唆しながら「複数の確立されたOSとアプリエコシステムがあるという環境で、我々はキャッチアップを試みていたが、Mozillaが商用のスマートフォンで勝つ状況ではなかった。コネクテッドデバイスという新しい時代で成功するためには、将来のプロトタイプと最大のインパクトを与えることができるのかにエネルギーを完全に注ぐ必要があると判断した」と記している。