オーストラリアUNSW(ニューサウスウェールズ大学)の研究者は12月17日、約14光年離れた恒星のハビタブルゾーンに惑星を発見したと発表した。
チリにある南欧州天文台の3.6m望遠鏡を用いた分光分析によるもの。太陽系から約13.8光年離れたへびつかい座にある赤色矮星ウォルフ1061(Wolf1061)に3つの惑星があるのを発見した。
惑星はそれぞれWolf1061 b、c、dと呼ばれているが、そのうちWolf1061cはぎりぎりハビタブルゾーン内ある。ハビタブルゾーンは恒星の明るさなどから液体の水が存在する温度域にあり、生物の生存が可能と考えられる軌道距離。惑星のサイズは地球の4倍強で、地球のような岩石惑星と考えられる。軌道半径は非常に小さく、太陽-地球の10分の1程度の距離(赤色矮星のためハビタブルゾーンも恒星に近い)。
これまでハビタブルゾーンに存在する惑星としては、22光年離れたグリーゼ667Cc(三重星系グリーゼ667のうちのひとつ恒星グリーゼ667Cを周回する2番目の惑星)として知られていたが、この発見によりWolf1061cは「生命の存在する可能性のある最も近い惑星」となる。
なお、Wolf1061は比較的太陽系に近い恒星ながら、今回の惑星の発見まではWikipediaにも「これといった特長がない」と書かれたほど地味な恒星である(英語/日本語とも。現在、英語版が物凄い勢いで書き加えられている)。