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鳥が持つ不思議な視力を診断に応用

最高99%の正答率、ハトによる乳がんの発見方法が開発される

2015年12月03日 11時55分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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実験風景(PLOSより)

 米アイオワ大学は11月18日、断層撮影画像から乳がんの病巣を発見するのにハトが使えることを発見した。

 乳がんはX線マンモグラフィーなどによる定期検診で発見できるものの、早期の乳がんは経験を積んだ医者にとっても診断が難しく、専門の訓練を必要とされるほど。一方、鳥類の視力は上空から草むらの上にいる小さな昆虫を見つけるなど、単に視力が良いだけではなく、思いもよらないほどの画像解析能力を発揮することがある。

 研究では、8羽のハト(Columba livia)をケージに入れ、乳がんの病理学サンプル画像をスライドで映写。腫瘍画像をつついたときには餌が与えられるという訓練を施した。さまざまな乳がんのサンプル画像を用いてトレーニングを行なったところ、ハトたちは15日間で平均85%の正答率を記録した。また、とくに成績の良かった4羽は30日後に最高99%の正答率を出したという。

訓練に用いた乳がんの画像(3種類の拡大率、回転させた画像、モノクロ画像なども用いている)

 単にハトの視覚が診断のサポートに有用というだけではなく、彼らがどのように複数の画像から病巣を判断しているかは、コンピューターにより画像解析プロセスの向上にも役立つという。

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