ついに人工知能がわたしたちメディアの世界にも入ってきた。
人工知能を搭載したウェブメディア向けのコメントシステム『QuACS』(クアックス)が登場したのだ。開発元のクーロンは、2013年設立のスタートアップ。サイトにJavaScriptを数行加えるだけで記事にコメント欄をつけられる。
メディアのトンマナをNG設定に反映
ウェブメディア『ねとらぼ』『東洋経済オンライン』などが導入したコメント欄はいずれもクアックスのシステムだ。利用者が書きこんだコメントの中身を人工知能に読ませ、必要に応じてフィルタリングをかける機能がある。
「違法なこと、薬物取引、青少年に有害な内容は一律掲載しない。児童ポルノは欧米基準。誹謗中傷は『バカ』『アホ』の上はフィルタリングの強弱は特徴に合わせてこまかく設定し、カテゴリごとに独自のレギュレーションができます」
いわゆる炎上・荒らしを防ぐしくみだ。たんにNGワードをはじくのではなく、自然言語処理・機械学習・行動分析により、メディア独自のトーン&マナー(トンマナ)にもとづく基準を設けることもできる。
「『クソ端末』という言葉も媒体によってOK、NGがわかれます。あと『バカすぎワロタwwww』とかも、インターネットに親和性の高いところはOKだったり。あと『野球バカ』はどこでもOKとか、そうした使い分けができます」
ビジネスモデルは広告ベース。コメント数回に1回の割合で広告をはさんでいく。メディアは無料で「荒れない」コメント欄が使えるのでWin-Winだ。
彗星のように突如として登場してきたクーロンだが、いったい何者なのか。