IFA 2015の会場でソニーが披露したオーディオ製品のなかで、ひときわ注目を集めていた製品が「h.ear」というブランドネームが付けられた新ヘッドフォンのラインナップだ。
最大の特徴は、その色とりどりのカラーリング。代表的モデルとなる「h.ear on」と呼ばれるオーバーヘッド型のヘッドフォンは5色のカラーバリエーションを展開。特にヘッドオン本体は、さまざまな素材を使いつつもシングルカラーを徹底している。ヘッドフォンのハウジング部はもちろんのこと、ケーブルやイヤーパットやその内部のネットまですべてを1色で統一。
色展開は、同時に発表された新ウォークマンNW-A25と同じライムイエロー、ビリジアンブルー、シナバーレッド、ボルドーピンク、チャコールブラックと中間色メインで、その見た目のデザイン性に注目されるモデルだ。
ヘッドフォンとしての基本仕様は40mmのチタンコーティングのドライバーユニットを採用し、60kHzまでの帯域に対応したハイレゾモデル。型番はMDR-100Aとなっており、ソニーのハイレゾ対応ヘッドフォンの人気モデルMDR-10Rの後継へと位置づけられる。
ソニーの北島氏は「今年のIFAで提案したいのが、高音質ならハイレゾ、というのをいかに若い方々に楽しんでいただくかです。高音質のハイレゾ製品というと、色でいうと黒であったりシルバーであったりという、従来のオーディオ機器らしい機能価値です。そこから感性価値に振ってエモーショナルにハイレゾ高音質を若い方々に提案していきたい。社内的には”楽しいハイレゾ”をやろうと声をかけて進めたものです」と、より若い世代にアピールするためのモデルとなった。
ノイズキャンセルモデルも用意
同じく「h.ear」ブランドの製品として、ノイズキャンセル対応のイヤフォンモデル「h.ear in NC」、型番MDR-EX750NAもIFA会場で初披露された。ウォークマンAシリーズと同じ5色を展開する。筐体から本体まで1色で統一する、デザイン志向の作り込みも共通だ。
イヤフォンとしての構造は9㎜ドライバー搭載のダイナミック型タイプで、ハイレゾの音再現に最適なチューブ型の構造とし、同時にマグネットをボイスコイル外側に配置することで高感度再生として40kHzまでのハイレゾ帯域の再生に対応。ノイズキャンセル部はウォークマン専用ではなくコントロールボックスを外付けする汎用タイプもので、ソニーのノイズキャンセルイヤフォンとしては初めて筐体の外部と内部でノイズを集音する「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を搭載する。
新開発の「インテグレーテッドDNCプロセッサー」で、ノイズキャンセルを有効にした際にも192kz/24bitのハイレゾサウンドとなり音色の変化も押さえられている。
また、ケース内のみながら「h.ear in」というイヤフォンも展示が行なわれており、ノイズキャンセルを搭載しないことを除いては「h.ear in NC」と基本的な構造は同じ。型番はMDR-EX750となっており、従来のMDR-EX650の上位モデルに位置づけられる。
ソニーのハイレゾ対応人気ヘッドフォンシリーズが大きくデザインを変えわけだが、気になるのは今後ソニーのヘッドフォンのデザインがすべてどう変わっていくか。「ソニーではヘッドフォン、イヤフォンにも幅広くラインナップを持っていいますので、たとえばMDR-Z7に代表されるような高音質のモデルはh.earシリーズのようなファッショナブルに、というわけにはいかないと思っています。h.earの今後については、お客様のフィードバックをみて展開していく予定です」(北島氏)とのこと。
ひとまず高級機は今までのデザインが残るので安心として、ソニーの”楽しいハイレゾ”がどのように広まっていくのか期待のニューラインといえるだろう。