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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第301回

ロンドンのScience Museumで見た歴史的マシンの数々

2015年04月27日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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SAGE Module

 冷戦つながりでこんなものも展示されていた。SAGE(Semi-Automatic Ground Environment)というのは1950年代から1980年あたりまでNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)が運用していた防空システムで、要するにレーダーを使って敵の侵入を監視するとともに、適切に迎撃の指揮をとるためのシステムである。

 SAGEそのものはAN/FQS-7(IBM 701の米軍での名称)をベースとしたものだが、Semi-Automaticの名前からもわかるとおり人間のオペレーターが介在するので、非常に多くの器材がシステムには含まれている。

 Photo16のモジュールがいったいSAGEのどのあたりに使われていたのかは皆目見当がつかないが、ラグ板の固定方法とか立体配線の具合が時代を象徴している気がする。というか、懐かしいと思ってしまうあたりで歳がわかるというものだ。

Photo16

Photo17

IBM System360

 サーバーつながりで、IBMのSystem 360。正確にはSystem 360/195だそうだ。英国ではUCL(University College London)がARPANETを経由して、ラザフォードにある高エネルギー研究所におかれたSystem 360/195を使っていたそうだ。

Photo18

Honeywell DDP-516

 Honeywellが1966年にリリースした16bitのスーパーコンピューター。同社のSeries-16という製品をベースにしたらしい。白い箱が本体で、その上に操作盤が乗っかっている(固定はされておらず、Photo19で後ろに見える配線でつながっている模様)。

 操作パネルをしげしげ見てみると、ここから直接命令を入力できることがわかる。上の16個のボタンでマシンコードを設定して、下のFETCHあたりを押すと1語登録されるという感じであろう。プログラムを入力し終わったら右下のRunボタンを押すのだろう、というあたりまで容易に推察できてしまう。

Photo19

Photo20

PDP-10

 同じ時代ということで、DEC(Digital Equipment Corporation)のPDP-10を。これはあくまでPDP-10のフロントコンソールだけであり、本体はもっと巨大である。下の説明の中の右の写真で、本体にくっついたコンソールが奥にあるのがわかる。

Photo21

ASR 33

 古いコンピュータマニアの中には「これが(昔)欲しかった」と言う人が少なくない、ASR33。所謂テレタイプというやつである。

 筆者は稼働中のASR 33を見たことがあるのだが、ものすごい轟音と振動で、とても家庭における代物ではない。もっと言えば、もの凄い振動に耐えるべく、脚部もものすごく丈夫かつ重いもので、日本家屋では畳が抜けかねないだろう。

Photo22

→次のページヘ続く (世界初のパーソナルコンピューター

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