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多数のIPカメラ映像をまとめて管理、スマホやタブレットからもライブビュー

「ReadyNAS Surveillance」で監視カメラシステムをお手軽導入してみた

2015年04月08日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットギアのファイルサーバー「ReadyNAS」では、複数台のネットワークカメラ(IPカメラ)のデジタル映像をライブビュー/録画再生/管理できるアプリ「ReadyNAS Surveillance」がオプション提供されている。手軽に導入でき、外出先のスマートフォンやタブレットからでも監視ができるネットワークビデオレコーダー(NVR)だ。

事件は会議室で起きた!だが、監視カメラがすべてを見ていた!(↑ネットギア社員有志による大熱演)

高画質化するIPカメラの大容量ストレージとしてReadyNASを活用

 ReadyNAS Surveillanceは、同時に16台までのIPカメラ映像をライブビューできるReadyNASのオプションアプリだ。登録/管理できるカメラ台数は最大64台。カメラ台数に応じてライセンスを購入する必要があるが、30日間の無料試用期間も設けられている。

ReadyNAS Surveillanceは、WebブラウザからIPカメラのライブ映像を監視できる。画面レイアウトを変更すれば最大16台のカメラ映像を一度にモニタリング可能

 近年、防犯カメラ用途を中心としてIPカメラの需要が高まっている。一方でカメラ映像のHD化/高画質化も進んでおり、映像データを一定期間保管しておくためには大容量のストレージが必要になる。多くの業務用IPカメラはファイルサーバーへの録画(動画ファイル書き込み)機能を備えているが、IPカメラを複数台設置する場合には、その管理やモニタリングが煩雑になる。

 こうした悩みを解決するのがReadyNAS Surveillanceである。ReadyNASを大容量の“映像記録用ストレージ”として使うと同時に、ライブビューや録画再生、統合管理の機能も提供する。さらに、無償提供されているスマートフォン/タブレット用アプリ(iOS、Android)を使えば、「ReadyCloud」サービス(VPN)を介して外出先からの安全なモニタリングも可能にしてくれるのだ。

ReadyNAS SurveillanceによるIPカメラ監視ソリューションの構成例

 ReadyNAS Surveillanceは、アクシスコミュニケーションズ、パナソニック、ソニーなど主要な業務用IPカメラメーカーの製品(1000機種以上)に対応しており、ビデオフォーマットや解像度、フレームレートなどを1つの設定画面でまとめて管理できるようになっている。

 もちろん、ネットワークビデオレコーダー(NVR)として利用するのと同時に、ReadyNASはふつうのファイルサーバーとしても利用できる。またRAIDやバックアップなど、ReadyNASが備える幅広いデータ保護機能で、保存した映像データを保護できる点も特徴だ。

LAN内のIPカメラを自動検出、一元管理可能にする

 今回はネットギア社内のテスト環境を借りて、実際にReadyNAS Surveillanceに触ってみた。なお、この環境はアクシスコミュニケーションズからお借りしたIPカメラ(文末参照)をネットギアのPoEスイッチに接続してある。

PoE対応のIPカメラとスイッチを導入すれば、IPカメラへの接続はEthernetケーブル1本で済む(写真は今回使用したネットギアのPoE/PoE+スイッチ3機種)

 まず、WebブラウザからReadyNASの管理画面にアクセスし、Surveillanceアプリを立ち上げてログインすると、登録済みIPカメラの一覧画面が表示される。もちろん最初は空欄だ。

 ReadyNAS Surveillanceは、UPnPを使ってLAN内のIPカメラを自動検出する機能を備えている。いちいちIPアドレスやカメラ機種などを設定する必要がないので、特にカメラの設置台数が多い場合は便利だ。

LAN内のIPカメラをワンクリックで自動検出

 検出されたカメラは、設置場所などを示す名前を付け、カメラへのログインID/パスワードを入力したうえでReadyNAS Surveillanceのカメラ一覧に登録していく。ここは1台ずつ手作業となる。

 登録されたカメラは、ライブビューが可能になるほか、前述のとおりさまざまな設定がReadyNAS Surveillanceでできるようになる。PTZ(パン/チルト/ズーム)対応カメラならば、それらの操作もReadyNAS Surveillance側から可能だ。

カメラ登録後は、ReadyNAS Surveillance側でビデオフォーマットや画質などの設定ができる。カメラ側の設定画面へのリンクも

無駄な録画を省くさまざまな録画設定が可能

 IPカメラの高画質化によって、録画される映像データの容量もどんどん大容量化している。カメラ台数が多い場合はなおさらストレージ容量を消費することになる。ReadyNAS Surveillanceでは、無駄な録画を省くために、細かな録画設定ができるようになっている。

 録画(映像保存)設定も、ReadyNAS Surveillance側でまとめて管理できる。「すべてのカメラで録画する」設定だけでなく、「特定のカメラだけ録画する」「録画せずライブビューだけする」など、IPカメラの用途に応じてさまざまな使い方ができる。

録画設定画面。指定したカメラだけ録画させることができる。録画しない(ライブビューだけする)設定も

 ちなみに、カメラ側に モーションディテクション(動作検知)機能があれば、映像に動きがあったときだけ録画させることも可能だ。

 日単位/週単位での「スケジュール録画」にも対応する。たとえば、オフィスが無人になる休日だけ防犯のため録画する、その逆に店舗の営業日だけ録画する、といった使い方が考えられる。なお、スケジュールはカメラごとに設定することが可能だ。

 古くなった映像データを消去して、無駄なストレージ使用量を抑える「自動ローテーション」にも対応している。具体的には、「○日前の映像は消去する」「ストレージの空き容量が○%を下回ったら古い映像から消去する」という設定をすればよい。

古い映像データを破棄していく自動ローテーションも設定可能

 さらに、外部のFTPサーバーに映像データを転送する設定もあるので、映像の長期保存(アーカイブ)が必要な場合はこの機能も合わせて使うとよいだろう。

録画再生は「インテリジェントサーチ」を備える

 録画された映像データ(ファイル)は、カメラごとのフォルダに分類されて保存されている。PCなどからファイルサーバー経由でアクセスして、ビデオ再生アプリケーションで開くこともできるが、ReadyNAS Surveillanceには「再生」機能がある。

 再生画面では、カメラと録画日時(開始時間と終了時間)を指定して検索を行い、録画映像を再生する。同じ日時の複数のカメラを同時再生することもできる。早回し再生やデジタルズームもできる。

 ユニークなのは「インテリジェントサーチ」機能で、映像上の指定領域で何か変化があった場合にイベント検出する。このイベントをキーに検索ができるので、防犯目的で24時間録画し続けている場合などに便利だろう。

スマートフォン/タブレットでリアルタイムの監視も

 ライブビュー(および録画再生)は、PCのWebブラウザからだけでなくスマートフォン/タブレットの専用アプリからも行える。ReadyCloudサービスで提供されているVPN経由で、社外にいる場合でもインターネット経由でのモニタリングが可能だ。

ReadyNAS Surveillanceのモバイルアプリでは、最大6台のカメラまで同時モニタリングが可能。PTZカメラの操作にも対応している

 なお、ReadyNAS Surveillanceが低帯域用のストリームを用意してくれるため、通信環境が悪い場合には低画質モードに切り替えて利用できる。

* * * * *

 このように、ReadyNAS Surveillanceアプリは豊富な機能を備えている。特に、複数台のIPカメラを設置したい場合には、ReadyNAS Surveillanceの管理機能が威力を発揮し、ReadyNAS+PoEスイッチ+ReadyNAS Surveillanceで大幅な設置/運用の簡素化が図られる。低価格化の進む大画面タブレットを「監視専用端末」として組み合わせると、NVRソリューションとしてコストパフォーマンスの高い選択肢となるはずだ。

※ 今回の検証では、アクシスコミュニケーションズ株式会社様から以下のIPカメラをお借りしました。

■アクシスコミュニケーションズについて

アクシスはネットワークビデオ分野の市場リーダーであり、アナログからデジタルビデオ監視への移行を促進する駆動力となり、 さらなる安心とスマートかつ安全な環境を実現します。アクシスは、革新的でオープンな技術基盤をベースにした製品およびソリューションを備えた、プロフェッショナル向け設備のネットワークビデオソリューションを提供します。http://www.axis.com/ja/

(提供:ネットギア)

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