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5120×2880ドットの5Kディスプレー体験記 第2回

とにかくデスクトップが「デカイ」

デル「UP2715K」5K解像度の映像はまさに異次元レベル (1/2)

2015年03月03日 18時00分更新

文● 高橋量、編集●ASCII.jp

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5120×2880ドットの5K表示に対応したデルの27型液晶ディスプレー「UP2715K」

 デルの「UP2715K」は、5120×2880ドットの5K表示が可能な27型液晶ディスプレーだ。前回は外観や動作環境について触れたが、今回は映像のクオリティや使い勝手などについて紹介しよう。

「UP2715K」の主な仕様
ディスプレイ27型(5120×2880)、IPSノングレア
アスペクト比16:9
コントラスト比1000:1(標準)、100万:1(最大)
輝度350 cd/m2 (標準)
応答時間8ミリ秒(GTG)
視野角178度(垂直)/178度(水平)
インターフェースDisplayPort×2、miniDisplayPort、オーディオ、USB 3.0アップストリーム×1、USB 3.0ダウンストリーム×5、メディアカードリーダー
本体サイズ/重量幅637.3×奥行き204.5×高さ427.6-542.1mm/10.07kg(スタンド含)

超巨大なデスクトップで情報収集がはかどる!

 実際にUP2715Kを使ってみて感じたのは、とにかくデスクトップが「デカイ」という点だ。今回試用した環境ではWindows 8.1のスケーリング機能によってデスクトップが200%に拡大表示されていたのだが、それでもフルHDのデスクトップよりはるかに大きい。超高解像度の液晶ディスプレーでは、スケーリング設定で拡大表示するとデスクトップの編集領域が狭くなることがある。だがUP2715Kの5K環境なら、文字やアイコンを拡大してもデスクトップは広いままだ。

解像度5120×2880ドットで、Windows 8.1のスケーリング設定を200%にしたときのデスクトップ(クリックすると実寸大で表示されます。以下同)

 上記の画面は、文字やアイコンは十分な大きさであるにも関わらず、デスクトップはかなり広々としている。ちなみにWindows 8.1のスクリーンショット機能を使ってこの画像を撮影したところ、PNG形式でファイルサイズは約8MBだった

 試しにスケーリング設定を100%の等倍表示に変更してみたところ、文字は1mm強程度で、アイコンは約4mmの大きさで表示された。このサイズでの利用は、現実的ではないだろう。

Windows 8.1のスケーリング設定を100%に変更したときのデスクトップ。文字やアイコンが小さすぎるため操作は難しい

 5120×2880ドットの解像度は、ピクセル数で比較すると1920×1080ドットの約7.11倍だ。それだけ多くの情報を一度に表示できる。5Kディスプレーは、情報収集においても活用できそうだ。

ブラウザーでWebページを100%表示したときの情報量の違い。その差は圧倒的だ

5K解像度の100%表示では文字が読みづらいため、ストレスなく読める200%に拡大表示してみた。1画面あたりの情報量は少なくなるが、それでもフルHD(100%表示)より多くの情報をが表示されている

ピボット機能で画面を縦向き表示にしたときのスクリーンショット。情報量の多いWebページやTwitterのタイムラインを閲覧するのに便利だ

クリエイティブ系ソフトの操作性が大幅に向上!

 続いて、クリエイティブ系ソフトの使用感について紹介しよう。まずはプロ/ハイアマチュア向けの写真編集ソフト「Photoshop Lightroom 5(以下、Lightroom 5)」からだ。Lightroom 5はHiDPI対応で、Windows 8.1のスケーリング設定に応じてUIの大きさが変化する。ボタンやメニューが小さくて操作しづらいと言った場面はなかった。

画面中央と下部に大量のサムネイルが表示される。個々の写真の識別も容易だ

 はじめにライブラリーを表示してみたところ、非常に多くのサムネイルが表示された。個々のサムネイルは画像が潰れることなく細部まで鮮明に表示されるため、目的の写真を探しやすい。一度に大量の写真を編集する場合でも、作業を効率的に行なえるはずだ。

 APS-Cサイズのデジタル一眼で撮影したRAW画像(解像度5184×3456ドット)を表示したところ、さすがに100%で全体を表示することができなかったが、写真の大部分をドットバイドットで表示することができた。クオリティチェックの際に何度も拡大と縮小を繰り返す必要がなく、細部まで瞬時に確認できるのは非常に便利だ。

デジタル一眼で撮影した高解像度の写真を全体表示したときと、等倍で表示したときの違い。等倍表示でも写真の大部分が表示されていることがわかる

 一見するとうまく撮れているような写真でも、5K環境でチェックすると細かなアラを瞬時に見分けることができる。AdobeRGBカバー率99%、sRGBカバー率100%と色域が広いだけあって、色の再現についてはまったく問題ない。ハードウェアキャリブレーションに対応しているので、プロの現場でも活用できるだろう。

フルHDディスプレーではわかりづらいのだが、5Kディスプレーで確認するとピントの微妙なズレや高感度撮影時のノイズがすぐにわかる

Photoshopは要調整だが快適に

 続いて「Photoshop CC(2014)(以下、Photoshop)」についてだ。標準ではUIが小さく表示されるが、手動でUIを拡大することで扱いやすいサイズに変更できる。クリエイティブ系ソフトはHiDPI対応とされていても手動による設定が必要な場合もあるため、事前に確認しておくといい。

Photoshopを起動すると、UIがかなり小さく表示されてしまった

「環境設定」の「試験機能」からUIの200%拡大表示を有効にすると、扱いやすいサイズに調整される

 Photoshopを使ってみるとわかるのだが、複数のパネルを大きなサイズで表示しても編集領域が極端に狭まることがない。Photoshopなどのクリエイティブ系ソフトでは複数のウィンドウを同時に開くことが多いが、そんな使い方でもストレスなく作業ができる。

ブラシやレイヤーのパネルを大きく表示しても、編集領域は広いまま。5Kディスプレーはイラストを描くのにも向いている


 

(次ページ、「5Kディスプレーは動画視聴やゲームにも最適!」に続く)

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