ついに自動車も「コピペ」可能になった 写真:YouTube
製造業のあり方をインターネットが変えつつある。
3Dプリンターで電気自動車「Strati」のボディーをプリントアウトしたのは米アリゾナ州のメーカー、ローカルモータース(Local Motors)。樹脂製の車体にタイヤ、モーター、バッテリーなどを取りつければ自動車は完成だ。昨年9月に工作機械見本市(IMTS)で初めて実機を披露し、米メディアが大騒ぎをした。
Stratiは今年の米家電見本市「2015 International CES」でもプリントアウトされていた。1台を作りあげるのにかかる時間は44時間。YouTubeには、まだプリントした跡がギザギザに残ったままの車両が、実際に展示会の会場内を走行する様子が公開されている。
ローカルモータースでは地方に小さな工場「マイクロファクトリー」を設けつつ、インターネットを通じてデザインコンペをするなどグローバル展開を進めている。同社では今後10年で、世界100拠点を設ける予定。地方と世界をつなぐ新たな製造業のあり方、その一環として3Dプリンターによる可能性を見せた形だ。
大手メーカーが燃料電池車や自動運転車で競争を進める一方、小さいながらも新たな可能性が生まれている。都市から地方、大量から多種へのシフトはじわじわと進んできているのだ。
3Dモデルデータをもとに自動車が成形されていく
ほぼ車体の形が完成したら各種コンポーネントを組み込む
ちなみにコンポーネントはルノー製だ
出来上がった電気自動車。よく見ると縦にギザギザの溝が入っている