ユーザーが最も価値を見出すのはプライバシーではない、とCEOは語る。
NSAの内部告発者であるエドワード・スノーデンは、Dropboxに対する自身の嫌悪について発言していた。そして今回、このストレージサービスのCEOが短い言葉でこれに返答した。
スノーデンはプライバシー保護の観点から、Dropboxは「PRISM(米国政府のネット監視プログラム)の格好のターゲット」で「プライバシーの敵」であると断言し、SpiderOakと呼ばれる競合サービスを推奨していた。
水曜日ダブリンで行われたウェブ・サミットにおいて、DropboxのCEOドリュー・ヒューストンはこのスノーデンの発言に間接的に返答する形で、ユーザー・エクスペリエンスの優先を強調した。
「もし暗号化などの対策がまったくゼロであるというのであればその指摘は理解できるが、ダウンサイドだってあるのです」と彼は話した。「そういった他社のツールもありますが、それはもちろん我々のサービスでの検索やインデックス付け、プレビュー表示などに『影響を与える』ことになります。トレードオフなのです」
要するにDropboxはプライバシーを制限する代わりに、デスクトップ版とモバイル版、Dropboxとサードパーティー・アプリ、その他機能同士のシームレスな統合を提供している、ということだ。
スノーデンの発言がDropboxの利用に影響したかどうかをサミットで尋ねられた際、ヒューストンは12億人のユーザーがDropboxを引き続き利用していると答えている。
「そりゃあ、誰かが石を投げつけてきたら、いい気はしません」と彼は語っている。「でもフェイスブックやザック(マーク・ザッカーバーグ)に対して、いったいどれだけ多くの『批判的な』記事があるでしょうか?多くの良い点があるにも関わらず、何かにつけてこの会社を良いだの悪いだの…、誰だってきっと、誰かがいうほどに善人ではないし、同時にそれほど悪人でもないのです」
Lauren Orsini
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら