アップルの新しいプラットフォームは、グーグルのNestに接続することになるのか、あるいは完全に競合するのか。
インターネットが私たちの家に侵攻を始めており、アップルはこの機会を逃すまいとしている。
アップルが来週サンフランシスコで開催される同社のWWDCイベントで、新しいテクノロジーを発表するというニュースがFinancial Timesにあがっている。サーモスタットや照明、ドアロックその他のスマートホーム・デバイスをコントロールするための技術らしい。
このニュースによれば、アップルはまだスマートホームのハブとして機能するためのハードウェアを準備していないようだ。しかしアップルであれば、各ハードウェア・メーカーは簡単に自社のデバイスをiPhoneやiPad、あるいはApple TVに接続できるだろう。結果、iPhoneユーザーが家に入った瞬間に照明が付き、部屋から部屋へと移動するにつれて音楽が自動で再生されるようになるかもしれない。
iPhoneやiPadをスマートホームのコントローラーにするためのアプリは既に存在している。例えばアップルストアではLEDランプ「Philips Hue」が販売されており、専用の対応アプリがある。アップルはおそらく認証プログラムに関するこうした取り組みを形式化し、他のスマートホーム用デバイスのセキュリティも保証していくものと思われる。悪意のあるハッカーがスマートホームを攻撃するケースが増えていることを考えれば、この懸念は当然と言える。
2013年11月にアップルがスマートホームに関する特許を確保して以来、同社がスマートホーム用プラットフォームを発表することは予想されていた。アップルがデバロッパー達に、彼らのソフトウェアやハードウェアに組み込むための新しい技術を発表して求愛するための年次イベント、WWDCは、その発表にうってつけの場所だ。
こうしたやり方でスマートホーム市場に参入すれば、アップルはユーザーの生活における自身の存在感を大幅に拡大し、ハードウェア製品の売上げも伸ばすことができるだろう。加えて、サーモスタットや電球といったアップル認可製品の、アップルストアにおける売上げにも期待できる。
アップルは既にNestサーモスタットとワイヤレスオーディオ機器を販売しており、スマートホーム・デバイスに対する顧客の好みをある程度理解している。また、この市場における競合他者と比べて、プライバシー保護に関する評判においても一歩リードしていると言える。人々は早くも、グーグルがスマートホームから吸い上げた情報をターゲティング広告に利用するのではないかと危惧しているからだ(グーグルに買収されたNestはそのような考えを否定しているが、グーグルの最近の出願内容は同社が他のデバイスでも同じことをやる可能性を示唆している)。とにかく、来週のアップルの発表を注意深く見守り、同社が開発者に求愛する一方で、我々消費者も安心させてくれることを祈るしかない。
Lauren Orsini
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら