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Windows Info ― 第15回

Windows 8におけるGPSセンサーと動作の確認

2014年02月11日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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Windows 8では「PC設定」→「プライバシー」→「位置情報」で位置情報の利用を制御できる。まず、位置情報をWindowsやアプリに対して許可するかどうかを一番上のスライドスイッチで決め、ストアアプリは個別に位置情報の可否を設定できる

 Windows 8.1をプリインストールしたタブレットなどではGPSを搭載したものが少なくない。かつては、USBのGPSアダプタがいくつも市販されており、利用していたユーザーも少なくなかったが、最近ではほとんど見かけなくなった。逆にAndroidやiOSを搭載したスマートフォンやタブレットには、GPSがほとんど搭載されており、これを利用して地図アプリで現在位置を表示したり、ナビゲーションに利用することが多い。

 WindowsもXPまでは、GPSなどのセンサー類をまったくサポートしてなかったが、Windows 7からはセンサーのサポートが始まり、Windows 8/8.1では、無線LANのアクセスポイント情報などを併用する本格的な位置情報機能のサポートが行われている。

 ただ、GPSにあまり使い慣れていないユーザーもあり、GPSに関しては「動かない」などの投稿を掲示板で見ることも少なくない。今回は前回(関連記事)に続き、センサーとしてのGPSとその使い方などを交えつつ、こうしたトラブルシューティングを行なってみることにする。

GPSを利用するアプリに注意

 筆者もGPSでトラブルにあったことがある。GPSを内蔵したソニーのVAIO Duo 13(SVD1321A1J。現行マシンではなくWindows 8を搭載したモデル)でGPSが動作しなかった。

 前回紹介した「センサー診断ツール」(sensordiagnostictool.exe。入手方法などは前回を参照)を使ってみたところ、屋外でもStatusは「Initalizing」のままで、GPSドライバがなにも出力していない状態だった。

 原因は、プリインストールしてあったデスクトップセキュリティアプリがGPSを利用しており、何らかの原因で、Windows側がGPSデバイスにアクセスができなくなっていたようだ。GPSドライバやアプリケーションのバージョンアップという手もあったのだが、とりあえずアプリケーションのアンインストールでGPSデバイスが動作するようになった。

 アンインストールしてしまったので、その後のアップデート状況などがわからず、現在では解決している問題なのかもしれないが、GPSを利用するデスクトップアプリがインストールされている場合、このようなトラブルが発生する可能性がある。

PCのGPSの動作はスマホとは異なる

 GPSは、複数の衛星からの電波を受信し、それぞれの衛星から通知される時刻情報(GPS衛星には正確な原子時計が搭載されている)と、衛星の位置から、現在位置までの距離を計算、該当する地球上の位置を算出する。位置測定を行うには最低でも3~4つの衛星を受信する必要があるが、衛星同士の位置関係によっては、もっと多くの衛星からの電波を受信しなければならないことがある。

 またGPS衛星からの電波は、その強弱も関係するが、衛星とGPSセンサーの間に障害物がないこと(樹木なども障害物になりうる)、反射した電波が影響しないこと(建物などのすぐ近くではこのために正しく位置測定出来ないことがある)といった条件のほかに、各衛星からの電波に対してGPSセンサーが「同期」する必要がある。GPS衛星はCDMA方式を使っており、基本的にはすべての衛星が同一の周波数を使うが、衛星ごとに「疑似乱数コード」が違っている。電波の受信は、あらかじめこのコードを指定して行うが、そのためには、どの衛星が現在受信できるのかを知る必要がある。

 しかし、購入直後など、GPSセンサーが衛星の軌道情報を持っていない状態では、衛星をひとつひとつ順番に受信できるかどうかを調べていかねばならず、時間がかかってしまう。複数の衛星を同時に受信できるGPSセンサーが一般的だが、いくつ同時に受信できるのかはセンサーにより違いがある。

 どの衛星が受信できるのかは、おおまかな現在位置と衛星の軌道情報から求めることができるが、こうした情報自体がGPS衛星の電波に重畳されているため、とにかく受信できる衛星を探し同期を行なわなければならない。

 こうした準備に数分から10数分程度が最低でも必要で、電波状態があまりよくないと、非常に長い時間がかかることがある。最近のGPSセンサーは、こうした時間を短縮する工夫(たとえば、同時受信可能な衛星数が多い)が組み込まれているが、購入直後は、各種の情報が完全にクリアされた状態なので、特に時間がかかることが多い。

 なお、こうした時間が長くかかるがために、スマートフォンのGPSよりも感度が低いといった言い方がなされる場合もあるが、スマートフォンの場合、軌道情報をモバイルネットワーク側から入手したり、モバイルネットワークの基地局の情報を併用する「A-GPS」(Assissted GPS)を採用しているため、同列には比較できない。また、常に持ち歩くスマートフォンでは、GPSを使う機会も多く、詳細な衛星情報などが常に最新状態になっていることが多く、位置測定までの時間が短くなるのが普通だ。

 これに対してPCのGPSの場合、スマートフォンと比較すると、GPSの電波を受信できる機会が少ない場合が多く、位置測定に時間がかかってしまう。GPSを搭載したPCでは、購入したらGPSを動作させ、早いうちに軌道情報などを更新しておくべきだろう。

 なお、GPS電波を受信させるには、広く空が開けた場所に持ち出し、しばらく電波を受信させる。集合住宅のベランダだと、建物側が遮られるため、場所や時間によっては衛星の電波をほとんど受信できない場合も多いので、なるべく建物から離れた場所で行うとよい。

 GPS衛星は、数十個が稼働しており、半日で地球を1周し、多くの地域で6個以上の衛星が受信できるような配置になっている。ただし、時間によっては、ある地域で受信できる衛星が特定の方向に偏ることがある。このため、ベランダのように空の半分しか見えない場所では、ほとんどの衛星からの電波を受信できなくなる可能性がある。また、位置測定では最低3個の衛星から電波を受信する必要があるが、ほぼ直線上に並んだ衛星では、測定誤差が大きくなりすぎて位置測定が困難になる。

 こうした状況を考えると、GPSセンサーをチェックするためには、公園や広場など大きく空が開けた条件のよい場所を選ぶ必要がある。単体のGPS受信機を持っているなら、GPS衛星の配置などを知ることができるが、そうでない場合には、衛星の配置を簡単に知ることはできないので、とにかく受信条件がよくなる場所でチェックする必要がある。

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