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2014年初頭にリリースか

Android/iOSで同じアプリが動く!? Google「Mobile Chrome Apps」

2013年12月04日 21時30分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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 かつて、Sun MicrosystemsがJavaでうたった「Write Once, Run Anywhere」の思想が、ようやくというか、今日やっと実現間近にまで近付いているのかもしれない。

 The Next Web(TNW)によれば、Google内部の人物が「Mobile Chrome Apps」のAndroid/iOS版アプリについて、2014年1月中でのベータ版リリースを示唆したという。従来の「Chrome Apps」はHTML5/JavaScript/CSSで記述されているものの、オフライン動作などネイティブアプリそのものの挙動での利用が可能で、Mobile Chrome Appsの登場は、これがChrome OSやPC環境だけでなく、モバイルOSにも拡大することを意味する。

「Mobile Chrome Apps」とは何か?

 現在、Googleが開発中のMobile Chrome Appsに関する情報は、ソースコード/関連ドキュメントなどの形で「GitHub」にて確認できる。Mobile Chrome Appsは、単純にいえばChrome OSで動作可能なWebアプリ(Chrome Apps)を、そのままAndroid/iOSといったモバイルOSでも動作可能にする仕組みだ。Chrome AppsについてはGoogleの開発者ページが詳しいが、コードそのものはHTML5+JavaScriptとなっており、Chromeが提供するAPIを用いることで、ウィンドウシステムやリッチメディア、ハードウェアのより柔軟な扱いが可能になり、ネイティブアプリのような仕組みを構築できる。

Mobile Chrome Appsに関する情報はGitHubにて確認できる

 現在Chrome Appsは、Chrome OSのほか、WindowsやMac、Linuxなどで動作する。これを、クロスプラットフォームのモバイルアプリ用開発フレームワーク「Apache Cordova」(PhoneGap)をベースに開発を進めることで、モバイルOS上においてもクロスプラットフォーム環境を構築しようとしているのだ。

 PC上ではネイティブアプリのように振る舞うWebアプリといった体裁だが、モバイルOSでは仕組み上その限りではないため、あくまで専用アプリ内で提供されたフレームワーク上で「同じコードで記述されたアプリがそのままPCと同じ挙動で利用できる」といった体裁になるようだ。

 このように、モバイルOS向けのフレームワーク提供はアプリ経由で行なわれ、その上でChrome Appsが動作するようになる。プロジェクト自体は1年以上前から走っているようで、GoogleでChrome開発者向けの交渉窓口を担当しているJoe Marini氏がTNWに語ったところによれば、来年初のテストを経た後提供が可能であり、早ければ2014年1月にも何らかの形でベータ版配布が可能になるという。

 ただし、Mobile Chrome Appsの説明書きによれば、対応OSはAndroid 4.x以上(Cordova自体はAndroid 2.2/2.3をサポート)、iOSサポートは「TBA(今後アナウンス予定)」とされている。つまり、当初ベータ版の形で提供されるのはAndroid版に留まりそうだ。現時点ではGoogleからの正式発表ではないため、今後何らかの形で詳細な提供方法についてアナウンスされるとみられる。

ユーザーにどんなメリットがあるのか?

 メリットは明確だ。「目的のアプリがiOS用にはあるが、Android用にはない」というシチュエーションがあったとしよう。Chrome Appsであればクロスプラットフォームが実現されるため、こうした状況で悩むことが少なくなる。逆の組み合わせもしかりだ。よほどの作り込みを行なったり、プラットフォームに対するこだわりがない限り、開発者も複数のプラットフォームをターゲットにアプリを一度に開発できるため、効率がいいのが特徴だ。

 以前より各方面でこうした構想はあったものの、Webアプリの制限であるオフライン動作やハードウェアまわり、メディアファイルの扱いなど、ネイティブアプリとの差が大きく、モバイルOSにおけるWebアプリ普及の阻害要因になっていたと考えられる。Googleは以前からWebアプリを主軸に据える道を模索しており、Webアプリのネイティブ動作や開発環境の整備、そしてAndroidとChrome事業の統合など、段階的にプロジェクトを推進している。最終的に、かつてJavaが果たせなかった仕組みをChromeで実現しようとしているのかもしれない。

 実際にリリースされて評価が進み、どの程度Chrome Appsが充実してくるのかを見なければならないなど、現状では不明な部分はあるのは確かだ。しかし、将来的にGoogle以外のプラットフォーマーにとって脅威となる可能性を秘めているのがMobile Chrome Appsだといえるかもしれない。

 Googleによれば、Google PlayやAppleのApp Store経由でフレームワークアプリの配布を検討しているとのことだが、Chrome Appsの充実次第ではApp Storeのエコシステムをそのまま乗っ取ることも可能だ。これはWindowsやMacも同様で、ある意味で来年モバイルアプリ界隈で最も注目の動きのひとつかもしれない。

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