スマホの善し悪しは、機能や操作性といったハードウェアの性能だけでなく、ネットワークへのアクセス性能の高さも評価を左右する。特に最近は、4G/LTEという高速通信対応スマホのユーザーが増しつつあり、「ネットワークへのつながりやすさ」や「通信速度の速さ」がユーザーとキャリアの双方にとって大きな関心事になっている。そこで注目したいのは、MMD研究所がこのたび発表した調査結果だ。
MMD研究所では、4月1日から4日までの4日間に、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの高速通信対応スマホユーザー各400人を対象としたアンケート調査を実施。18日にその結果を公表した。ネットワークへのアクセス状況について、まず、スマホの「つながりやすさ」を尋ねると、「つながりやすい」(「ややつながりやすい」を含む)と回答したのは、NTTドコモが63.3%、auが61.8%、ソフトバンクモバイルが63.1%。3キャリアはほぼ横並びとなっているが、「つながりにくい」(「ややつながりにくい」を含む)という回答を見てみると、NTTドコモが9.2%、auが12.2%、ソフトバンクモバイルが8.5%で、auの「つながりにくさ」が表面化してくる。
「通信速度」についての質問では、「速い」(「やや速い」を含む)という回答が、NTTドコモは58.3%、auは66.7%、ソフトバンクモバイルは63.8%で、NTTドコモへの評価が低い。「遅い」(「やや遅い」を含む)という回答でも、NTTドコモが18.4%、auが14.6%、ソフトバンクモバイルが12.5%となり、NTTドコモのユーザーは「つながりの遅さ」を感じているようだ。
次に、6か月前の状況と比較して、現在のほうがつながりやすいか、通信速度が速いかどうかを質問した。「つながりやすさ」では、「つながりやすい」(「ややつながりやすい」を含む)と回答したのは、NTTドコモが49.5%、auが58.5%、ソフトバンクモバイルが58.6%となり、NTTドコモへの評価が低い。「つながりにくい」(「ややつながりにくい」を含む)という回答では、NTTドコモが9.7%、auが7.4%、ソフトバンクモバイルが8.6%でほぼ横並び。
「通信速度」については、「速い」(「やや速い」を含む)という回答が、NTTドコモは49.5%、auは63.5%、ソフトバンクモバイルは61.2%で、NTTドコモへの評価が低い。「遅い」(「やや遅い」を含む)という回答でも、NTTドコモが15.1%、auが7.4%、ソフトバンクモバイルが7.9%となり、NTTドコモに対しては「遅い」という評価が多数を占めている。
以上の結果から、「つながりやすさ」と「通信速度」の両項目でNTTドコモユーザーの満足度は低く、また、6か月前と比較しても「つながりにくさ」と「通信速度の遅さ」がともに改善されていないと感じる傾向にある。逆に、「つながりにくい」や「通信速度の遅さ」を挙げるユーザーが3キャリアのなかで最も低くかったのがソフトバンクモバイル。「つながりやすさ」と「通信速度の速さ」でともに一定の評価を獲得し、6か月前と比較して改善されていると実感しているようだ。