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モバイルの時代は省電力 CEOが語るARMの強さの秘密

2012年11月20日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 PCからモバイルへ……モバイルが中心となるポストPC時代が着々と進行している。そして主役はWindowsからAndroidに移りつつある。覇権が移るのはOSだけではない。プロセッサーの世界でも、WindowsのMicrosoftとともに“WinTel”時代を築いたIntelから、ARM社とそのARMコアを採用するQualcommにスポットが当たっている(スマートフォンの人気機種はことごとくARM系CPUを搭載している)。

半導体業界の王者はIntelからARM系の連合王国に

 イギリス・ケンブリッジを本拠地とするARMを率いるCEO、Warren East氏が11月、サンフランシスコで開催されたモバイルイベント「Open Mobile Summit 2012」に登場し、対談形式で半導体やモバイル業界について見解を語った。

ARM社CEOのWarren East氏

 ARMは11月1日までサンタクララで開発者向けイベント「ARM Techcon」を開催。約5000人が参加し盛況に終わったという。East氏はイベントの報告として、Cortex-A50系の最新チップを発表したことなどに触れた。

 「性能を約3~4倍に改善した。消費電力はそのままでだ」とEast氏は語る。今後はモノのインターネット時代に向けてサービスも強化していくという。East氏は触れなかったが、会期中にAdvanced Micro Devices(AMD)がARMコア採用計画を発表。Intelにとっては打撃となった。

 ARMは設計したプロセッサのアーキテクチャをライセンスするというビジネスモデルをとり、自社でCPU自体を生産するIntelとはビジネスモデルが異なる。Intelは数年前からモバイル進出を試みており、今年はMotorola Mobilityの「RAZR i」などいくつかのIntelチップ搭載スマホが発表された。それでも、なかなかARMの牙城を切り崩せないのが現状だ。

 「Intelの時代は終わったと思うか?」という問いに、「半導体は30年の業界。この間にたくさんの進化を遂げてきた。Intelは大きな成功を収めた」とEast氏は往年の王者に大いなる敬意を払った。「どの業界でも、リーダーは入れ替わる。それでもIntelを過去の企業にするのは時期尚早だ。今後数年間は成功した企業という地位を保つだろう」とする。

全電力の10%を消費しているIT業界
これからのプロセッサーは効率にフォーカスする時代

 ARM社の戦略やフォーカスに話が及ぶと、「デジタルの世界を現実にしていくこと」と繰り返すEast氏だが、Intelが“ムーアの法則”を持つのに対し、“ARMの法則”なるものが有るのだろうか? そんなパネリストの質問に対し、East氏は「PC時代に(フォーカスされていたのが)速度だったとすれば、ARMは効率(にフォーカスしている)」と答えた。

 コンピューターが扱うデータ量は増加の一途をたどっており、端末の平均通信速度も高速になる。「現在ICT業界はすでに全電力の10%を消費している。より多くのデータ、より高速な接続スピードをサポートするには、もっと革新的な方法で技術を実装する必要がある」とし、「さまざまなサービスを配信すると言う点でも、電力効率は大切になる」と付け加えた。

 ICT業界だけではない。自動車業界などを例にとりながら、「気候変動などの課題があり、今後の技術革新はエネルギー効率の方向に向かうだろう。ICTは電力利用効率を改善させてきたが、今後モノのインターネット(マシン間通信など)の時代に入るにあたって、効率化はさらに重要になる」との見通しを示した。

 半導体業界のトレンドとしては、モバイルや電気製品の機能がハードウェアからソフトウェアに移りつつあると俯瞰する。「ソフトウェアはマイクロプロセッサーを必要とする。このトレンドはわれわれからみると良いこと」とEast氏は微笑む。今後は技術開発により、汎用のマイクロプロセッサー、グラフィックなど用途特化型のプロセッサと、さまざまなプロセッサーが消費電力効率の良い形で連携しながら動く方向に進むだろうと予想を示した。

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