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GoogleはMotorola買収後も同じ方針を示唆

必須技術特許について枠組み作りを呼びかけるApple

2012年02月15日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 AppleがSamsung、Motorola MobilityらAndroidメーカーを相手取り、次々と特許訴訟を仕掛け、または反訴する一方で、「FRAND特許」といわれる必須技術についての特許ライセンスについて明確なルールを設けるように欧州の標準化機関に要請していたことが明らかになった。

あるジャンルの製品を作るのに必須の特許が「FRAND特許」
訴訟合戦における乱用は認められない

 おりしも1月に欧州委員会(EC)がSamsungに対して必須技術特許の乱用についての調査を開始したところだ。13日に欧・米の両当局がGoogleによるMotorola買収を承認したが、ここでも必須特許の利用について注視すると警告している。

 Appleが欧州の通信技術標準化機関のETSIに書簡を出したのは2011年11月11日のことだ。これまで非公開だったが、2月7日付けでWall Street Journalが情報を入手しこれを明らかにした。

AppleがETSIに提出した書簡

 ETSIの事務局長、Luis Jorge Romero Saro氏に宛てた書簡でAppleは「セルラー標準分野におけるFRAND特許について一貫した基本原則がない」とし、FRAND条項でライセンスされる必須特許周りで一貫性があり透明性のあるルールを設けるべきだとの考えを示した。FRANDとは「Fair(公正な)、Reasonable(合理的、妥当な)、And Non-Discriminatory(非差別的)」の頭文字をとった言葉(アメリカでは"RAND"といわれている)で、標準技術の一部として、それなしには製品やサービスを構築できない必須技術に対して標準化機関が適用している。

 具体的にはロイヤリティー料金が焦点となり、FRAND条項でライセンスすることに合意した特許保有者は、自社の特許ポートフォリオを反映した適切な価格でライセンスするための枠組みを定めるようETSIに要求している。Appleはまた当事者がFRAND特許を根拠に販売指し止め令を要求してはならないと定めることも提案している。

 Samsung、Motorola、Nokia、Qualcommなど既存の携帯電話企業の多くは、無線通信に関する必須技術特許を持っており、Appleと激しく争うAndroid陣営(Samsung、Motorolaなど)はデザインの模倣を主張するAppleに対し、FRANDと分類できる無線通信関連技術の特許を主張している。ドイツでは3G関連のFRAND特許を主張するMotorolaの訴えがマンハイム地裁で認められたため、Appleが一時的にオンラインストアでの販売を停止するという事態も起こった。

 加熱する訴訟合戦でFRAND特許の乱用がないかを調査していたECは1月、ついにSamsungに対して正式調査を開始することを発表した。EC競争法を担当するJoaquin Almunia氏は2月10日、The Guardianの取材に応じ、標準化の重要性とそれを支えるFRAND条項を強調し、乱用に対し懸念をいだいていることを明らかにしている。

 「特許権の乱用は、活発で誰もが参加できる市場を損なう。反競争法(EUの独占禁止法)を利用してこれを防ぐ覚悟だ」とAlmunia氏は述べている。

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