Webディレクターが勤務する企業の業態には、大きく「広告代理店」「Web制作会社」「システム開発会社」「サービスプロバイダー」の4つがあります。それぞれの業態によって、Webディレクターの役割も異なります。
広告代理店の場合
広告代理店は、メディアの広告枠を企業に売るのが主な業務ですが、最近では商品やサービスの販促活動の企画・制作も業務範囲となってきています。
広告代理店のディレクターはクライアントの要望をヒアリングし、マーケティングや販促活動をする上でメディア(本書ではWeb)をどのように使い、プロモーションをしていくかを企画提案します。また、社内に制作部署がない場合は、ディレクターが外部の制作会社に対するディレクション業務を担当します。
Web制作会社の場合
代理店や企業から依頼された内容をもとに、デザインを作成し、HTMLコーディングをしてWebサイトを構築することが主な業務です。近年では、企画部分から制作会社が関わる案件も増えており、制作会社のディレクターが企画提案を担当することも珍しくありません。
ディレクターはサイトの構成や設計を考え、企画内容をWebコンテンツへと落し込み、場合よっては大まかなシステム要件の仕様も作成します。また、デザイナーやプログラマーなどのスタッフの選定や、制作進行の管理、構築後の検収や内容の校正、さらには公開後の運営管理までを任されるケースもあります。
システム開発会社、サービスプロバイダーの場合
システム開発会社は、動的コンテンツなどの制作のためのプログラミングがメイン業務です。制作会社のシステム構築の部分だけを抜き出したようなイメージです。
したがって、ディレクターの仕事はシステム開発のディレクションが中心です。代理店や制作会社からの依頼に基づいて、システム要件の洗い出しやシステム仕様の作成、開発進行管理、検収などに携わります。
サービスプロバイダーは、コミュニティサイトの運営やゲーム配信など、独自のサービスを自社で展開している企業のことです。ディレクターには、代理店と制作会社を足したような役割が求められます。つまり、コンテンツ企画や販促プロモーションからサイト設計、制作進行管理、更新・運用などまでとほぼ全工程に関わります。
ここまで見てきたように、ひとくちにWebディレクターと言っても、業務内容は業態によってさまざまで、さらに同じ業態であっても会社によって詳細は異なってきます。まずは、自社の業務内容とその中で果たすべき役割をよく把握することが重要です。
著者:フライング・ハイ・ワークス
東京都近郊(首都圏)を中心とし、企業サイトやキャンペーンサイトの制作、CMSの設置などを行なっているWeb制作会社。掲載実績数は300点以上。クライアントのその先にいるお客様の事を考えた「意味を持つデザイン」と「訴求するコンテンツ」を提供する事を使命とし、ディレクターを中心にフットワークの軽さときめ細かい対応で制作を行なっている。