マイクロソフトは17日、オフィススイート「Office」シリーズ最新作「Microsoft Office 2010」を発売した。価格は法人/プロフェッショナルオフィス向けの「Professional」が5万9800円、個人/ホームオフィス向けの「Home and Business」が3万4800円など。
Officeはワープロソフト「Word」や、表計算ソフト「Excel」などの最新バージョンを一つにまとめたもの。今回はソフトそれぞれのバージョンアップだけではなく、ウェブやスマートフォンなど「パソコンではないものとの連携」に力を入れているという。
その例として「Office開発チームがつくった『クラウドベースの(ネットで使える)Office Web Apps』」(Web Apps)との連携を売りとして挙げた。たとえば資料作成ソフト「PowerPoint」でつくられたファイルがHotmailで送られてきたとき、Web Appsを使えば、ブラウザー上でファイルを少しだけ編集できる。
Web Appsは同社のサービス「Windows Live」(後述)の会員登録をすませていれば、誰でも使用可能になる。
また、「Windows Phone」という同社製のスマートフォンとの連携例もあげた。たとえばノートソフト「OneNote」を使っているとき、ファイルをオンラインストレージ(ネット上のサーバーをHDD代わりに使うサービス)の「SkyDrive」に保存しておくとする。スマートフォンで会議資料などを写真に撮り、「OneNote Mobile」というスマートフォン用の簡易ソフトからSkyDrive上のファイルに写真を入れる。すると、写真に写った文字をパソコン用のOneNoteが自動的に認識し、パソコンから検索できるようになる。
さらに、Officeシリーズと連携したサービスとして、同社が運営しているクライアントサービス「Windows Live」のバージョンアップも売りとしてあげた。現在進行しているバージョンアップは、夏ごろまでにすべて完了する予定という。
たとえば写真管理ソフト「Windows Live フォトギャラリー」は、写真の中から「だれかの顔だけをさがす」といったこともできるようになる。写真からいらない部分を自動的に削ったり、2枚の写真を合成したりといった高度な編集機能も追加する予定だ。
また、Officeシリーズは発売とともに「冴子2010の2010人Officeの旅」というキャンペーンも開催している。Office 2010のキャラクター「冴子さん」(ツイッターアカウント)がビックカメラやヨドバシカメラなど量販店をまわってデモをし、参加したユーザーに「Office 2010っていいね!」と言ってもらうというものだ。
なお現在、日本語IMEソフトの最新版「Office IME 2010」も公式サイトからダウンロードできるようになっている。Office 2010を持っていないユーザーでも使用可能だ。