3Dグラフィックの性能競争で出遅れる
ただし1996年は、ある種のターニングポイントとなった年である。1995年にWindows 95が発売になるが、これに後から追加される形でDirectXが出現した。当初のDirectXは3DグラフィックスAPIがサポートされていなかったが、1996年のDirectX 2.0で、初めて3DのAPI「Direct3D」が搭載される。
また同じ1996年には、独自の3D API「Glide」を搭載した3dfx社の「Voodoo」が登場。あっという間にゲームマーケットを席巻する。こうなってくると、グラフィックスチップの未来は、2Dの高速化ではなく3D性能の搭載になる。
もちろんS3もこれには気がついており、まず1995年にTrio64V+の2Dエンジンと新規設計の3Dエンジンを組み合わせた「ViRGE」(86C325)を発表する。ただこのViRGEは、3D機能を搭載しているものの性能的にはローエンドで、またコストダウンを狙ってかメモリーが汎用のEDO DRAMとあって、まったく性能が上がらなかった。
翌1996年には、VRAM/WRAM※1をメモリーとしてサポートしたものの、根本的に3Dエンジンの性能が不足していた。そこで3Dエンジンの能力を強化したものを「ViRGE DX」として1997年に投入。これにSDRAM/SGRAMのサポートを追加した「ViRGE/GX」も、同年に後追いで登場する。それでも、当時有力だったNVIDIAの「RIVA 128」や3dfxのVoodooには遠く及ばなかった。
※1 Window RAM(WRAM):韓国サムスンが開発した独自規格のVRAM。Milleniumに使われたことで有名になったが、Millenium以外の採用例がほとんどなく、結局SGRAMなどに置き換えられて消えてしまった。
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