プロセス微細化とエンジン強化されたG70世代
これに続く世代が、コード名のルールが変わった「G70」から始まる「GeForce 7」シリーズである。これまでNVIDIAは、NV45でプロセスをTSMCの110nmプロセスに切り替え、より動作周波数を高めた製品にするはずだった。しかし、NV4x世代ではこれが見送られた。その理由は、当時NVIDIAがプレイステーション3用GPU「RSX」(Reality Synthesizer)の開発に忙しかったからだ。このRSXが、ほぼそのままG70として登場するあたりは、かつての“Xbox GPUとGeForce 3”と同じシナリオである。
G70ではプロセスの微細化が進むとともに、エンジンはシェーダーの数が増やされた「Cine FX 4.0」に強化。より高度なアンチエイリアシング処理を実現する「Intellisample 4.0」や、影生成のパフォーマンスを向上させる「UltraShadow II」、ハイダイナミックレンジ(HDR)レンダリング対応など、機能面でも強化が図られている。
G70世代の製品では、まず2005年6月に「GeForce 7800 GTX」がリリースされる。さらにハイエンド向けには、TSMCの90nmプロセスに移行して動作周波数を引き上げた「G71」が、2006年3月に「GeForce 7900 GTX/7900 GT」としてリリースされる。G71のリリース後に、G70ベースの製品は急速にフェードアウトした。
また超ハイエンド向けには、2枚の基板を重ねてG71を2つ積むとともに、GPU間をつなぐPCI Express Switchチップを搭載することで、カード単体でSLI構成を実現した製品が「GeForce 7900 GX2/7950 GX2」としてリリースされている。この製品は、マザーボードがSLIに対応していなくてもグラフィックスカード上でSLI動作が可能になるという意味では画期的だが、カードサイズと消費電力の両面でかなり動作環境が限られる製品でもあった。
ちなみにG70/G71も、NV40と同様に内部のシェーダーを一部無効化することで性能を落としたバージョンが存在しており、これが「GeForce 7800 GT/7800 GS」、あるいは「GeForce 7900 GS」としてリリースされている。
ミドルレンジに「G73」のGeForce 7600
バリューはまたもすったもんだ
G70をベースに、メインストリーム市場向けにしたのが「G73」である。製造プロセスはTSMC 90nmプロセスで、シェーダー数をほぼ半減、メモリーバス幅も半分としたものだ。これが「GeForce 7600 GT/GS」として、2006年3月にリリースされる。ちなみにこの2つのシェーダー構成は同一で、コアの動作周波数あるいはメモリー構成で差がつけられている。
またGeForce 7600 GT搭載カードはほとんどが空冷ファン付きなのに対して、GeForce 7600 GSはヒートシンクのみの製品が多いなど、このあたりが両製品の差別化のポイントとされた。G73はさらに、80nmプロセスへの移行テストともなる「G73-B1」コアが2007年1月にリリースされ、名称は変えずGeForce 7600 GTとして販売された。
一方、バリュー市場向けには「G72」コアが、2006年1月に「GeForce 7300」シリーズとして投入されるのだが、これはG73との性能差が大きすぎた。そのため急遽、G73のシェーダーの一部を無効化したものが「GeForce 7300 GT」として投入されるなど、相変わらずこのあたりはぐちゃぐちゃである。
さらなるローエンドには、NV44コアが「GeForce 7100 GS」として再投入された。「GeForce 2 MX」が「GeForce 4 MX」として再投入されたのと似ているが、GeForce 4 MXの場合と異なり、NV44はG7xシリーズと同じDirectX 9.0cに対応している。細かな機能に違いはあるにせよ、ローエンドではほとんど問題ないと判断されたのだろう。
次回はいよいよDirectX 10世代のGeForceについて解説する。
今回のまとめ
・GeForce FXで複雑な構造と消費電力の増大に見舞われたNVIDIAは、やや路線を修正した「NV40」を、2004年に「GeForce 6」シリーズとして投入する。
・GeForce 6800シリーズはバリエーションがやたらと多く、混沌とした状況にあった。一方でミドルレンジの「GeForce 6600」シリーズは、パフォーマンスや柔軟性に優れて普及する。
・プレイステーション3用GPUの改良版「G70」を、2005年に投入。カード1枚でSLIを実現する製品も登場する。
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