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米DivX、ビデオ共有サイト“Stage6”の説明会を開催──デジタル家電との“エコシステム”構築が狙い

2006年12月13日 19時16分更新

文● 編集部 広田稔

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米DivX(ディビックス)社は13日、都内で記者発表会を開催し、同社が8月より試験サービスとして展開しているビデオ共有サイト“Stage6(ステージ シックス)”を紹介した。

“Stage6”のトップページ
チャンネル 再生画面
Stage6では自分が投稿した動画を“チャンネル”として1つページにリストアップできる。写真左はいくつもあるチャンネルのリスト。写真右はビデオの再生画面で、ダブルクリックすると全画面表示に切り替わる

Stage6に来た1500万人のうち、700万人が日本人

米DivXといえば、MPEG-4をベースとしたビデオコーデック“DivX”の提供で知られる企業だ。Stage6は“YouTube”に代表されるユーザーのビデオ投稿が可能なウェブサイトで、ビデオコーデックにDivXを採用している。動画のアップロードにはパソコン用のDivXプレーヤー『DivX 6.3』以上を使う。

発表会では、以下の点がStage6の特徴として紹介された。

  • 720p/1080pといった高解像度にも対応
  • ファイルをダウンロードできる
  • DVDプレーヤーなどデジタル家電との連携可能

同社のチーフDivXオフィサー(CXO) パートナーおよびライセンス担当、ケビン・ヘル(Kevin Hell)氏によれば、Stage6は特に日本からのアクセスが多いという。

ケビン氏は「オープン以来、全世界から1500万人の来訪者を数えるが、その半数以上が日本から」と、アクセス数の内訳を示した。また、同社の日本代表、大沢幸弘(おおさわゆきひろ)氏も「過去、日本から700万のユニークビジターがある。先月の11月だけでも230万人」と補足していた。日本で注目を集めた理由について、ケビン氏は「画質が高品質というのが評価されたから」と分析している。

ケビン・ヘル氏 大沢幸弘氏
ケビン・ヘル氏大沢幸弘氏

また、Stage6独自の要素としては、コンテンツ販売も視野に入れているということが挙げられる。

大沢氏は以前、マクロメディア(株)(現アドビ システムズ(株))で代表取締役社長を勤めていた人物だ。発表会ではそのことを引き合いに出し、「以前勤めていたソフトの会社でやり残したことがある。ソフトを買って動画のコンテンツを作ってくれるユーザーはたくさんいる。しかし、プロ以外はそれを発表する場所がない。自分のホームページではたくさんの人が見てくれないが、Stage6ならプロからアマまで発表の場を提供できる」とユーザーのニーズを指摘。

その上で、「いずれDRM(デジタル著作権管理)付きのダウンロード販売が始まれば、発表の場だけでなく収入の場になる」と、投稿者にもメリットがあることを示した。

ただし、ケビン氏によれば、ダウンロード販売について「現状では具体的なスケジュールは何も持っていない」という。なお、著作権を侵害する違法コンテンツがアップロードされた場合について、他のビデオ共有サイトと同様に「違法コンテンツに気がついた場合はその時点で除去する」というポリシーで臨んでいると語った。


デジタル家電との連携で競合と差別化

ケビン氏はDivX社の目標を、DivXを核とした“デジタル家電のエコシステム”を構築することと紹介した。

エコシステム
DivXを核としたデジタル家電のエコシステムの構築を目指す

DivX社はデジタル家電メーカー向けに、DivXファイルの互換性を保証する認証プログラムを用意している。異なるメーカーの機器における相互互換性を確立することで、例えばデジタルカメラで撮影したDivXムービーをStage6に投稿したり、Stage6からダウンロードしたコンテンツをDVDプレーヤーで再生する──といった使い方が可能になる。

エコシステムといえば、米アップルコンピュータ社のiPodとその周辺機器が有名だが、ケビン氏は「アップルコンピュータのように閉じられた世界で展開を目指す企業もある。しかし私たちはまったく逆で、ソニー(株)や(株)東芝といった主要な家電メーカーと提携して広範囲にコンテンツを提供したい」と、企業との連携を強調した。

パートナー企業
現在のパートナー企業日本におけるDivX対応機器の歴史

肝心のDivX対応機器の普及については、ケビン氏が「全世界に5000万台以上存在している」と紹介。中でも受け入れられている機器はDVDプレーヤーで、「西ヨーロッパにおいては9割以上の製品がDivXの再生に対応している」と自信を見せる。ただし、日米では「直近の四半期における米国の対応率は30%、最近の日本では10%くらいではないか」と、欧州に比べて採用率が低いことに触れた。

カメラ
国内ではパイオニア(株)のDivX対応DVDプレーヤーが8月のBCNランキングで売れ行き1位を獲得したというデジタルカメラでは、ペンタックス(株)やカシオ計算機(株)の一部製品がDivX互換の認定を受けている


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