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【レビュー】440BXをリプレースするにふさしい高性能――i815Eマザーボード『CUSL2』レビュー

2000年06月30日 00時00分更新

文● ASCII DOS/V ISSUE編集部 丸尾雅人

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PC/133、UltraATA/100など最新のフィーチャーを搭載して注目を集めているIntelの新チップセット『i815E』。これを搭載したマザーボード台湾ASUSTeK Computers社の『CUSL2』を入手したので、さっそく注目の仕様、パフォーマンステストの結果をお届けしよう。

事実上のメインストリームチップセット i815/i815Eとは?

PC/133、UltraATA/100など最新のフィーチャーを搭載して注目を集めているIntelの新チップセット『i815E』。これを搭載したマザーボード台湾ASUSTeK Computers社の『CUSL2』を入手したので、さっそく注目の仕様、パフォーマンステストの結果をお届けしよう。

i815/i815Eは、それぞれ“Solano/Solano2”のコードネームで呼ばれていたチップセット。名前の8に続く15という数字が示すように、Intelとしてはi810/i810Eの流れを汲む、ローエンド向けのチップセットということで開発したのだが、ユーザーやマザーボードメーカー側の受け止め方はまったく違うもの。i820の相次ぐつまずきにより、空席となってしまっている、メインストリームを担うチップセットとして期待されているのが実状だ。

i815/i815Eのチップ構成は、i810/i810Eと同様の3チップ構成。ビデオ機能を内蔵したメモリコントローラ“GMCH(Graphics Memory Controller Hub)”にI/Oコントローラの“ICH(I/O Controller Hub)”、そして乱数発生機能付きのBIOS ROM“FMW(Firmware Hub)”からなる。

i815の要となるGMCH(Graphics Memory Controller Hub)『FW82815』。3Dビデオ機能を内蔵するが、外部AGPカードも利用できる。PC/100とPC/133 SDRAMに対応しているi815の要となるGMCH(Graphics Memory Controller Hub)『FW82815』。3Dビデオ機能を内蔵するが、外部AGPカードも利用できる。PC/100とPC/133 SDRAMに対応している



“ICH2”こと『82801BA』。UltraATA/100対応のIDEコントローラ、2つのUSBコントローラ(4ポート)、AC'97デジタルコントローラ、LAN/HomePNA機能などを内蔵する“ICH2”こと『82801BA』。UltraATA/100対応のIDEコントローラ、2つのUSBコントローラ(4ポート)、AC'97デジタルコントローラ、LAN/HomePNA機能などを内蔵する



GMCH“FW82815”は、3Dビデオエンジン内蔵のメモリコントローラだが、i810/EのGMCHと決定的に違う点は、外部用AGP(AGP 4x)インターフェイスを確保していること。内蔵のビデオ機能を使用せず、別途高性能なビデオカードを利用することができる。FSBに関しては、66/100/133MHzの3種類をサポート。メインメモリはPC/100およびPC/133のSDRAMをサポートする。PC/133のサポートはIntel製チップセットとしては初、また66MHzのSDRAMはサポートから外されている。FSB66MHzのCeleronを利用する際のメモリバスは100MHzとなる。

i815とi815Eの違いは、I/OコントローラであるICHの違いによるもので、従来のICH『Intel 82801AA』を採用するi815に対し、i815Eでは、先に発表されたi820Eと同様に、“ICH2”と呼ばれる『Intel 82801BA』を採用している。このICH2は、UltraATA/100対応のIDEコントローラ、2つのUSBコントローラ(4ポート)、10Base-T/100Base-TX対応のLAN、1MbpsのHomePNA(電話線を利用したネットワーク)を実現するLANコントローラ、オーディオコーデックを2つ搭載して6チャネルサラウンドを実現できるAC'97デジタルコントローラまで内蔵する。ハイエンドなものが好まれる日本のマーケットの性質を考えると、主流となるのは当然ながらICH2を搭載するi815Eだろう。

i815(E) i820(E) 440BX ApolloPro133A
FSB 66/100/
133MHz
100/
133MHz
66/
100MHz
66/100/
133MHz
メインメモリサポート SDRAM DRDRAM
SDRAM(オプション)※1
SDRAM SDRAM
VC-SDRAMほか
SDRAMクロック 100/133MHz 100MHz 66/100MHz 66/100/
133MHz
メインメモリ最大容量 512MB 1GB 1GB 2GB(PC100)/
1.5GB(PC133)
外部AGP 1x/2x/4x 1x/2x/4x 1x/2x 1x/2x/4x
IDEコントローラ UltraATA/
100(i815E)
/UltraATA/
66
UltraATA/
100(i820E)
/UltraATA/
66
UltraATA UltraATA/66
チップセット間バス Hub Interface Hub Interface PCIバス PCIバス
チップセット間帯域 266MB/秒 266MB/秒 133MB/秒 133MB/秒


※1:MTH(Memory Translator Hub)のトラブルにより事実上利用不可  
◆表1 各チップセットの機能比較

これまでのメインストリーム系チップセットと比較すると、マルチプロセッサのサポートがない、メインメモリの最大搭載容量が512MBまで、などパワーユーザーにとっては物足りない面も残るのだが、メインストリーム系チップセットがターゲットとするユーザーの大部分にとっては致命的といえるほどの欠点ではない。『Apollo Pro133A』など互換チップセットを使用することに抵抗のあったユーザーにとっては、FSB133MHzにUltraATA/66、Hub Interfaceといったフィーチャーを事実上今まで利用できなかったわけで、これらに加えてさらに新フィーチャーを備え、かつローエンドならではの構成の制限もさほどないi815/i815Eの仕様は非常に魅力的。いまだ根強い人気を誇る『440BX』をリプレースするメインストリームとしての期待が大きいのも当然だろう。

i815Eマザーの本命となるか? CUSL2はほぼ1MHz刻みのFSB設定が可能


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ASUSTeKのi815Eマザー『CUSL2』。FSBがBIOS上でほぼ1MHz刻みで設定でき、CPUコア電圧、I/O電圧の変更も可能だ


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製品名  CUSL2
メーカー ASUSTeK
URL http://www.asus.com.tw/
実売価格 未定
チップセット    i815E
メモリソケット   DIMM×3
拡張スロット AGP Pro×1,PCI×6,CNR×2(PCIと共用)
FSB(2:3:1) 66~97MHz(1MHz刻み)
FSB(3:3:1) 100,102~132MHz(1MHz刻み)
FSB(4:4:1/4:3:1) 133,135~160(1MHz刻み),166MHz
コア電圧 CPUデフォルトから+3.0Vまで(0.5V刻み)
I/O電圧     3.3,3.4,3.6V
ボードサイズ 306×208mm
問い合わせ先 株式会社ユニティ
http://www.unitycorp.co.jp/


◆表2 ASUSTeK CUSL2スペック

さて、i815E搭載マザーボード『CUSL2』(ASUSTeK)を細かく見ていこう。まず、拡張スロットの構成だが、DIMMソケットは4本、AGPスロットを1本、PCIスロットを6本、そしてCNRスロットを2本搭載する。AGPスロットはASUSTeK製ボードではお馴染みとなったAGP Pro対応のもの。AGP ProはAGPのコネクタを拡張し電源ラインを追加したもので、将来登場するであろう消費電力の大きいハイエンドAGPカードにも対応する。

CNRを2本搭載。6本目のPCIスロットとセカンダリのCNRスロットのコネクタは幅の狭いものが使われている
CNRを2本搭載。6本目のPCIスロットとセカンダリのCNRスロットのコネクタは幅の狭いものが使われている



また、CNRスロットが2本というのも他のメーカーには見られない仕様。*CNR(Communication and Network Riser)は、*AMR(Audio/Modem Riser)でサポートしていたモデムやサウンドのほか、LAN機能、オーディオコーデックの追加による4~6チャンネルサウンド機能、USBハブ機能など多彩な機能をローコストで外付けできるライザー規格となっているため、1枚のカードだけでは足りない場合も出てきそうだ。2つスロットがあることでフレキシブルな拡張が可能となり安心感は高い。CNRを不要だと考える人にもマイナスにはならないよう、CNRスロットは2本ともPCIスロットと共用する形で実装しており、そのために一番下のPCIスロットとペアのCNRスロットは通常のコネクタよりも幅の狭いものが使われているのが特徴的だ。

i815Eということで、I/OコントローラはUltraATA/100サポートのICH2。ICH2は2つのUSBコントローラも持っており、USBポート増設(3ポート)用のブラケットも標準で同梱している。AGPスロットの左上あたりに見られるピンの並びは、内蔵ビデオ機能用のデジタル出力インターフェイス(DVI)を外付けするためのもので、このインターフェイス部分はオプション扱いとなっている。

また、66/100/133MHzと、3種類のFSBに対応するi815Eだけに、FSBの設定にも注目だ。本ボードでは他のASUSTeK製ボード同様、DIPスイッチとBIOSの両方でFSB設定が行なえる仕様だが、BIOSのほうがより細かいセットアップが可能となっている。FSBは、ベースとなるFSB(66/100/133MHz)それぞれにFSB:SDRAM:PCIクロックの比率設定が用意されており、それを選んだうえで、利用可能なFSB設定を選択する。

別表のようにFSBはほぼ1MHz刻みでの設定が可能だが、この設定を見る限り、FSB133MHzのときにはSDRAMクロックを100MHzか133MHzかを選べるが、FSB66MHzのときのSDRAMクロックは100MHzしか選べず、また、FSB100MHzのときにSDRAMクロックだけを133MHzにすることはできないようだ。また、CPUコア電圧はCPUのデフォルトから+3.0Vまで、I/O電圧(ジャンパピンで3とおり)の設定も用意されている。

i815Eは期待に違わぬ高性能 440BXからのトランジションが進むか

チップセット i815E 440BX 440BX(OC133) Apollo Pro133A
CPU(FSB×倍率) P3-600EB
(133×4.5)
P3-600E
(100×6)
P3-600EB
(133×4.5)
P3-600EB
(133×4.5)
マザーボード ASUSTeK 
CUSL2
ASUSTeK 
P3B-F
ASUSTeK 
P3B-F
ASUSTeK 
P3V4X
メモリ PC133 SDRAM(CL=3) PC100 SDRAM(CL=2) PC133 SDRAM(CL=3) PC133 SDRAM(CL=3)
ビデオ Leadtek WinFast GeForce256/DDR(Detonator2)
HDD IBM DTLA-307020(UltraATA/100)
OS Windows98 Second Edition


◆表3 ベンチマーク環境。※6月29日発売のASCII DOS/V ISSUE 8月号で測定している環境とは若干異なります。また、P3V4Xに関してはDOS/V ISSUEではBIOSバージョンが1003ですが、ここでは6月15日リリースの新BIOS(1005)にアップデートしています

さて、注目のベンチマークは図1~図6に記載した。CPUクロックは600MHzで揃え、環境は表3に記載した。今回は外部AGPカードを利用した場合に絞って検証したが、その結論としては、GMCH、ICH2ともしっかりと性能を発揮しており、i815Eはメインストリームを担うに値する高性能を持っているといえる。Apollo Pro133Aにはほとんどのテストで5%近い差を付けたほか、ノーマル状態の440BXにもPhotoshopで7%、Superπで5%という、同クロックのCPUだということを考えれば大きな差を付けている。オーバークロック状態の440BXに対してもさほど負けているわけでもなく、むしろ上回っているテストもあることを考えると、性能優先でも「440BXをオーバークロックして利用したほうがいい」とは言えないだろう。さすがにSolanoのコードネームが世に出てから約1年待たされただけのことはある。

各社からアナウンスされている魅力的なボードが市場に揃ってくれば、440BXからのトランジションも一気に進むかもしれない。

●WV32ベンチマーク



       マザーボード
リード ライト ミックス
i815E(CUSL2) 600EB(133×4.5) 453 240 227
440BX(P3B-F) 600E
(100×6)
446 184 184
440BXOC133(P3B-F) 600EB
(133×4.5)
479 194 189
Apollo Pro133A(P3V4X) 600EB
(133×4.5)
452 162 163


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図1 WV32を利用したメインメモリ性能テスト。同じPC/133対応のApollo Pro133Aや、オーバークロックした440BXと比べてどうか。リードではApollo Pro133Aと同程度で440BX(OC=オーバークロック)には5%ほど劣った。440BXの、FSBとSDRAMクロックを同一にしか設定できない単純なアーキテクチャに比べ、複数のクロックに対応するi815の設計では多少のオーバーヘッドがあるのかもしれない。ただし、ライトとリード/ライトのミックスではApollo Proには大圧勝、440BX(OC)にも20%以上の大差を付けている。単なる「440BXのPC133対応版」という以上のチューニングがなされているように見える


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※グラフは逆数を取って表しているため、長いほど成績がよい。以下同様

●Excel 2000ベンチマーク

マザーボード コピー&ペースト フィルタ スクロール 拡大縮小 フォント変更 整数演算 浮動小数点演算 検索と置換
i815E(CUSL2) 600EB(133×4.5) 4.97 1.90 14.83 7.08 3.58 0.95 1.77 3.45
440BX(P3B-F) 600E(100×6) 5.07 1.87 14.86 7.06 3.58 0.96 1.78 3.47
440BX133(P3B-F) 600EB(133×4.5) 4.93 1.88 14.66 7.06 3.54 0.94 1.74 3.42
Apollo Pro133A(P3V4X) 600EB(133×4.5) 5.03 1.99 15.00 7.22 3.61 0.97 1.79 3.47


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図2 ASCII Lab.製Excel2000ベンチマーク(1024×768ドット/16bitカラー/85Hz)。全体的に差は少ない。440BX(OC)に劣ってしまっているのは、440BXでFSB133MHzに設定するとAGPクロックが正規の66MHzを大きく超える89MHzに上昇し、描画処理の多いアプリレベルの性能が向上するためとみられる


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●Photoshopベンチマーク

マザーボード 画像補正 フィルタ モード変換 テキスト処理
i815E(CUSL2) 600EB(133×4.5) 2.15 50.67 4.87 8.94
440BX(P3B-F) 600E(100×6) 2.29 51.66 5.56 9.47
440BXOC133(P3B-F) 600EB(133×4.5) 2.21 51.72 5.11 9.39
Apollo Pro133A(P3V4X) 600EB(133×4.5) 2.21 51.96 5.32 8.83


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図3 ASCII Lab.製Photoshopベンチマーク(1024×768ドット/16bitカラー/85Hz)。メモリ性能に加えてディスク性能も影響しているようで、i815Eはノーマルの440BXに比べて7%も上昇、オーバークロック状態の440BXにも4%近い差を付けている


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●3D Mark 2000

マザーボード 3D Marks CPU 3D Marks
i815E(CUSL2) 600EB(133×4.5) 4556 382
440BX(P3B-F) 600E(100×6) 4513 376
440BXOC133(AX6BC PROII) 600EB(133×4.5) 4587 386
Apollo Pro133A(P3V4X) 600EB(133×4.5) 4428 372


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図4 3D Mark 2000(http://www.madonion.com/)の結果(1024×768ドット/16bitカラー/85Hz)。440BX(OC)に劣ったのはExcelと同じ理由だろう。P3B-FでFSB133MHzにすると3D Markの開始直後にハングアップして計測できなかったため、この場合のみ440BXマザーとしてAOpenの「AX6BC Pro II」を利用した


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●Superπ

マザーボード
i815E(CUSL2) 600EB(133×4.5) 193
440BX(P3B-F) 600E(100×6) 203
440BXOC133(P3B-F) 600EB(133×4.5) 193
Apollo Pro133A(P3V4X) 600EB(133×4.5) 208


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図5 Superπ104万桁(1024×768ドット/16bitカラー/85Hz)の結果。440BX(ノーマル)には5%の差を付けて440BX(OC)とタイ


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●HD Tach



マザーボード
KB/秒
i815E(CUSL2/ICH2) 87774
440BX(P3B-F/PIIX4) 31503
Apollo Pro133A(P3V4X/686A) 60847


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図6 TCD Labs.製HD Tach 2.61(http://www.tcdlabs.com/)の“Burst Read”の結果。ディスクのバースト転送モードの転送速度を測定するもの。HDDはすべてUltraATA/100対応の『DTLA-307020』を利用している。ICH2のi815Eでは88MB/秒をマーク。UltraATA/66の理論上限値(66MB/秒)を遙かに超えており、UltraATA/100により、IDEインターフェイスが高速化されているのがわかる


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