月刊アスキー 2008年7月号掲載記事
『Make』は、テクノロジーを生活に役立つモノ作りに利用する方法を紹介する、オライリー発行の雑誌。本国では季刊で発行されており、日本でも今年3月にVol.4が書籍で登場した。テクノロジー愛好家にとっては、まるで料理本のように食指を誘われる本だ。
そんなMakeが4月20日に、東京・江東区でイベントを開催。ユニークなモノ作りを行う“Maker”が、オリジナル作品の展示とプレゼンテーションを行った。
会場には、既製品を使えばデジタルで簡単かつ高品質に行える映像や音楽などの処理を、ソフトウェアと物理的な原理むき出しの仕掛けの融合で実現した作品がずらり。来場した電子工作マニアは、出展者の解説に熱心に耳を傾けていた。
いま、テクノロジー愛好家の興味は、デジタル世界のプログラミングから物質世界の電子工作に移りつつあるようだ。コンピュータが個人化したように、テクノロジーが個人の自己表現手段に利用され始めている。
少しのアイデアと知識、そして好奇心さえ持ち合わせていれば、巷にあふれるモジュールの中から気に入ったものを探し出し、組み合わせるだけで自分だけのオリジナルなモノが作れる時代。そんな時代だからこそ、電子工作という「モノ作り」の原点に戻ったのかもしれない。