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さよならプリントゴッコ!31年の歴史に幕

2008年05月30日 14時24分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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 理想科学工業(株)は30日、年賀状印刷ツールとして一世を風靡した家庭用簡易印刷機「プリントゴッコ」の本体販売を6月30日で終了すると発表した。インクやランプ等の消耗品については、当面販売を続けるとしている。

初代機「プリントゴッコ B6」
1977年に発売された、プリントゴッコシリーズの初代機「プリントゴッコ B6」

 同社ホームページの資料によると、プリントゴッコが登場したのは、1977年9月のこと。同社の創業者である羽山 昇氏が、「何か家庭用の新しい印刷機はできないものか。もしカラー印刷もできるようになるならば、すばらしいコミュニケーション・ツールになるに違いない」(同社ホームページより引用)との思いを抱いて生み出されたものだという。

 “年賀状を作る”という作業を通じて、家族の、あるいは送り手と受け手のコミュニケーションを促進しようというのが、日本の年賀状作りを変えるほどの商品を生んだというわけだ。

 「プリントゴッコ」というネーミングも秀逸だ。口にしやすく覚えやすい、親しみの湧く名前である。この名称にもまた、「私たちは“○○ゴッコ遊び”を通してルールや知識を学んできました。ゴッコは、いわば知育の源泉なのです」という、羽山氏の思いが込められているという。なんとも心に残る言葉だ。

 筆者も小学生から高校生くらいまでは、毎年プリントゴッコで年賀状を作ったくちだ。プリントゴッコがヒット商品となった当時1970年代後半から1980年代頃は、年末が近づくたびにテレビからプリントゴッコのCMが流れ、「そうだ、そろそろ年賀状作らなきゃ」という気分になったものだ。毎年、「今年の年賀状はどういうデザインにしようか」と頭を悩ませたり、親の分の印刷も引き受けて、年末ギリギリまで大量の年賀状と格闘したのも、思い起こせばいい思い出である。

 プリントゴッコは非常に普及して、高画質化やインクカラーのバリエーション増加といった、ユーザーニーズに応じた強化も図られた。原稿に使える素材集なども発売された点などは、毎年のように発売されるパソコン用年賀状素材データ集につながっていると言えるかもしれない。

 家庭における年賀状作りの主役は、今ではすっかりパソコンとインクジェットプリンターにとって変わられた。しかし、プリントゴッコが作った「家庭でも手軽にカラー印刷の年賀状が作れる」という文化は、形を変えてこれからも続いていくだろう。

 ありがとう! そしてさようなら、プリントゴッコ!

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