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近くのバイトをケータイで探せる!

GPSケータイの普及によって 位置情報が新たなビジネスに

2007年06月13日 00時00分更新

文● 中西祥智(編集部)

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月刊アスキー 2007年7月号掲載記事

おてつだいネットワークス

「今ヒマ」を宣言しているワーカーと、今すぐに働き手が欲しい依頼企業を「おてつだいネットワークス」で結びつける。企業の提示する時給に対して、より高い時給を提示するなど、ワーカー側が主張することもできる。なお、一般的な人材派遣とは異なり、初回以降は依頼企業とワーカーが直接交渉・雇用してかまわない。

おてつだいネットワークス

企業側の募集や、今ヒマ宣言しているワーカーの分布は、地図として見ることもできる。登録ワーカー数は、約1万9000名(4月現在)。

 この4月以降に発売する3G携帯電話には、GPSの搭載が原則義務化された。20~40代の9割以上が携帯を利用するいま、GPSが載ると何が可能になるのか。

 ベンチャー企業ロケーションバリューは昨年4月から、携帯の位置情報を利用した人材サービス「おてつだいネットワークス」を展開している。時間が空いて、ちょっとでも働きたいユーザー(ワーカー)は、「今ヒマ」を宣言。すぐにでも人手の欲しい依頼企業は、「今ヒマ」を宣言しているワーカーの中から、近くにいる相手に仕事をすぐに依頼できる。

 現在、景気は回復局面で求人は増えている一方、労働者人口は今後確実に減少し、求人と求職のギャップは増大している。そこで同社の砂川 大代表取締役が考えたのは、労働時間の細分化だ。細分化した労働時間を企業のリアルタイムなニーズにうまく適合できれば、ギャップを減らすことができる。さらに位置情報を加えることで、移動に要する時間やコストも削減できる。砂川氏は「非正社員はすべてこのプラットフォーム」でマッチングさせたいと語る。

 もっとも、同社は今後人材ビジネスを生業とするわけではない。「私たちは(ウェブ上だけの)グーグルよりも大きな、現実世界の行動分析データベースを構築できる」と砂川氏が意気込むように、同社が追求しているのは、位置情報が生み出す価値だ。位置情報と労働の組み合わせだけでなく、位置情報と食事や買い物等を組み合わせて、近くのレストランを探す、あるいは移動するビジネスマンを追尾して配達するなど、新たなサービスを生み出すことを目指す。

人材教育費を回収できる「認証」システム

人材教育費を回収できる「認証」システム: 同社のパートナーとなった企業は、ワーカーへ“認証”を与えられる。何らかのスキルに優れたワーカーへ認証を与えると、作業料の4分の1を認証料として得られる。辞めてしまった人材への教育費を認証料として回収でき、ローソンなど20社が、すでにパートナーとなっている。

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