米アドビ システムズ(Adobe Systems)社が『Adobe Photoshop』をASP化し、無償で利用できるようにするというニュースがインターネットを賑わせている。
近年、これまでパソコンのローカル上で実行されていたアプリケーションがウェブのサービスとして提供される事例が増えつつある。例えば、米グーグルが22日に発表した『Google Apps』や米マイクロソフトの『Microsoft Office System』などが好例だ。
アドビのPhotoshopのようなビッグタイトルでも、やはりオンライン化という流れを避けられないのだろうか? また、今後Photoshopのラインアップは大きく変わってしまうのだろうか? 編集部で詳細を確かめるべく、日本法人のアドビ システムズ(株)を取材し、ことの真相を伺った。
「弊社には、あらゆるユーザー層に最適な製品を提供するという戦略があり、その一環としてオンラインで当社のソフトを提供するという方法も検討しています。しかしながら “Photoshop”シリーズのバリエーションのひとつとして、オンライン版を用意するわけではありません」(広報担当)
ウェブアプリ版のPhotoshopが出るという話題は、米国を中心に展開されている“Photobucket”(フォトバケット)というコンテンツ共有サービスに、米国のアドビがFlashベースのオンラインビデオ編集ツールを提供すると発表したことに端を発している(2月21日のプレスリリース)。注目したいのは、あくまでも“Photoshop”シリーズのバリエーションとしてオンライン版を用意する予定はないと言っている点だ。
いずれにしても、同社がこうしたオンライン化の流れの中で、画像編集機能をASP化する戦略を持っていることと、それがPhotoshopブランドで投入される計画はないという2点は確かなことだろう。今回のニュースは、どうやら前者の“画像編集機能をASP化する”という話が、やや誇張されてインターネットを伝わったというのが、真相のようだ。