タワー型のみならず、省スペースタイプのメーカー製PCでも搭載されるようになってきたPentium 4。しかし、メーカー製PCで採用される場合の弱点が、ビデオ機能内蔵型のチップセットが存在しない点にあった(原稿執筆の2002年2月時点)。ビデオチップを外付けにすると、ビデオメモリも別途必要になり、どうしてもコストがプラスされてしまうのだ。そんな中、SiSとVIAから相次いで、Pentium 4対応のビデオ機能内蔵チップセットが登場した。「SiS650」と「ProSavageDDR P4M266」(以下、P4M266)がそれ。今回はそのうちP4M266搭載ボードであるECS「P4VMM」を紹介する。
Pentium 4対応の
ビデオ機能内蔵チップセット
写真1 ProSavageDDR P4M266搭載マザーの第一弾であるVIA「P4VMM」。ビデオ、Ethernet、サウンドの各機能が統合されているので、あとはCPU、メモリ、HDD、ケースがあればマシンが組める。 | 写真2 S3 Graphics製ビデオコア「ProSavage8」を内蔵するNorth Bridge「VT8751」。S3のロゴも印刷されている。 |
まず、P4M266の詳細を紹介すると、内蔵しているビデオコアは“ProSavage”の名前からもわかるようにVIAが買収したS3 Graphics製で、P4M266で初の採用となる「ProSavage8」と呼ばれるもの(写真2)。チップセット内蔵のビデオ機能はメインメモリをビデオメモリとして利用するため、メモリの帯域が非常に重要になるが、ここにDDR SDRAMを利用することで、SDRAMを利用していたi815などと比べ、性能アップが期待できる。そのほかの仕様はVIAのPentium 4用チップセット「Apollo P4X266A」(以下、P4X266A)とほぼ同様。両Bridgeチップ間の接続はV-Linkで266MB/秒、メモリはPC2100/PC1600のDDR SDRAMおよびPC133/PC100 SDRAMに対応するなどの特徴を持つ(ただし、本マザーボードの場合はDDR SDRAM用ソケットのみ装備する)。
写真3 South Bridgeは右ページの「GA-7VRXP」などにも搭載されている「VT8233A」。UltraATA/133対応のIDE機能などを持つ。 | 写真4 Realtek製コントローラ「RTL8100」をオンボードで搭載し、LAN機能を装備。コネクタはバックパネル部に用意されている。 |
ベンチマーク結果はグラフ1、2のとおり。3D性能ではやはりGeForce2 MX搭載カードと比べ、大幅に下回り、3Dゲームをプレイするのに十分なレベルとはいえない。ただ、i815クラスよりは明らかに上の性能を持っている。また、本ボードはAGPスロットを持っているので、ここに最新ビデオカードを導入すれば、3D性能をアップさせることは可能だ。システムの性能でも最新のP4X266A搭載マザーと比べやや劣るので、P4X266Aの前バージョンであるP4X266相当といったところだろう。
図1 3DMark 2000の結果 |
図2 Superπの結果 |
ベンチ環境 CPU:Pentium 4-1.6AGHz/メモリ:256MB(PC2100)/OS:Windows XP Professional |
MicroATXながら、PCIスロットを3本持っており、さらにオンボードにはRealtek製コントローラによるEthernet、AC'97によるサウンドの各機能も装備(写真4)。小型ケースと組み合わせ、ハイスペックな省スペースPCを安価で組むのに適したマザーだ。
P4VMMの主なスペック | |
製品名 | P4VMM |
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チップセット | ProSavageDDR P4M266(VIA) |
メモリソケット | DDR DIMM×2 |
拡張スロット | AGP×1、PCI×3、CNR×1(PCIと共用) |
FSBクロック | 100、102、105、108、111、114、117(BIOS) |
CPUコア電圧 | 自動 |
BIOS | AWARD |
ボードサイズ | 244×244mm |
競合製品レビュー
ECS/日本エリートグループ「P4S5A」レビュー |