性能的には目立たないが
ノートPCでの採用が多い
写真1 「A4-A985(RADEON IGP340)」。オーバークロック機能などは一切持たず、基本的にはとにかく安価にPCを作りたいユーザー向けのマザーボードだろう。オンボードビデオにはTV出力機能もあり。 |
【春の集中“自作”講座】「マザーボードのスペックを読む」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
Nvidiaと並ぶビデオチップメーカーの雄、ATI。「nForce」シリーズでNvidiaがチップセット市場に参入しているように、ATIも「RADEON IGP」シリーズというチップセットを2002年春からリリースしている。
このRADEON IGP、自作ユーザーにはあまりなじみがないかもしれないが、ノートPCには搭載例が増えており、NEC「LaVie L」シリーズなど大手メーカーでも採用されるようになってきた。製品のラインナップは、今回紹介する「A4-A985」に搭載するPentium 4対応の「RADEON IGP340」のほか、Athlon対応の「RADEON IGP320」があり、ノートPC用にはそれぞれ数字の最後に「M」が付く。
写真2 North Bridgeの「RADEON IGP340」。機能の集積度が高く、チップセットとしてのコストパフォーマンスは高い。 |
RADEON IGPの特徴はやはりビデオ機能をNorth Bridgeに内蔵している点。ビデオコアはRADEON 7000(RADEON VE)と三世代前のものになってしまうが、TVエンコーダを内蔵するなど機能の統合化が進んでいる。それでいて、North Bridgeには小型のヒートシンクが付いているだけという点からも、なるほどノートPCに適したチップセットだということがわかる。
ただ、詳細にスペックを見ていくと、メモリはPC2100 DDR SDRAMまでの対応、South BridgeはPCI接続(133MB/秒)のVIA「VT82C686B」を用いており、USB 2.0機能も持たない。ATIは266MB/秒の独自バスで接続される「IXP」と呼ばれるSouth Bridgeも発表しているが、実際に市場で搭載製品が存在するかは明らかでない。
最後に内蔵ビデオ機能のパフォーマンスは、PC2100を用いたi845GE内蔵ビデオと比較しても若干落ちるレベル。ライトな3Dゲームがなんとか遊べるといったところだろう。自作PCユーザー向けとは言えないが、Intel製のP4&ノートPC用チップセットにビデオ統合型がまだリリースされていないことを考えると、今後も比較的広く使われていくことは間違いない。
ベンチマークテスト結果
●【グラフ1/2】 3DMark 2000/QUAKE III Arenaの結果 |
- マザーボード(比較対象)
- Gigabyte GA-8GE667 Pro(i845GE)
- メモリ
- 256MB(PC2100 DDR SDRAM)
- OS
- Windows XP Professional英語版+SP1
A4-A985(RADEON IGP340)の主なスペック | |
製品名 | A4-A985(RADEON IGP340) |
---|---|
チップセット(North/South Bridge) | RADEON IGP340(ATI)/VT82C686B(VIA) |
メモリソケット | DDR DIMM×2(最大2GB) |
拡張スロット | AGP×1、PCI×5 |
ボードサイズ | 305(H)×218(W)mm(実測値) |