業界人の《ことば》から 第374回
Google NEST担当の松岡陽子氏がCEOに
“分業バカ”から“ヨコパナ”へ、Panasonic βにかけたパナソニックの想いは?
2020年01月10日 09時00分更新
今回のことば
「パナソニックには、『分業バカ』が蔓延しており、それが変革の際の課題になっている」(パナソニックの津賀一宏社長)
「これしかできません」という分業バカ
パナソニックの津賀一宏社長は、社内に向けて「専門バカ」と「分業バカ」という言葉を使っているという。
専門バカというのは、専門以外のことは無能であるということを示す言葉であり、一般的にもよく使われる言葉だ。専門性の高さを示すためにいい意味で使われることもある。
一方で、分業バカという言葉は、あまり聞き慣れない言葉だ。
津賀社長によると「私はこの役割なので、これしかしません」というのが分業バカだという。
そして、この言葉は悪い意味で使っている。
津賀社長は「パナソニックには、分業バカが蔓延しており、それが変革の際の課題になっている」と指摘する。
補足する形で、パナソニック専務執行役員CTO兼CMOの宮部義幸氏は「分業バカが、大企業のイノベーションの阻害要因になっている」と語り、これからのパナソニックはそれを解決するための取り組みが重要であることを示す。
パナソニックの変革における課題の根元がここにあるというのが、同社トップの共通認識である。そして、日本の大企業に共通した課題であるとも指摘する。
この連載の記事
-
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ - この連載の一覧へ