あえての未完成品も出していくべき
「これまでは生活者をマスとしてとらえ、より機能性を高めたり、より上級なものを提供したりというアップグレードを競い合ってきた。4つの機能がついた家電よりも、5つの機能がついた家電が良いとされていた。だが、いまはテクノロジーによって一人ひとりの価値観が解放されており、その人が心地良いと感じる瞬間と、丁寧に向き合う時代になった。
また、昨日聞きたかった音楽と、今日聞きたい音楽が違うように、一人の人間でも、今日と明日で求めるものが異なる。今日という日に合わせて、更新し続けることが必要な時代である。だから、アップデートである」と定義した。
一方で、こうも語る。
「私は、アップグレードを否定しているわけではない」
津賀社長は人や環境によっては、アップグレードすること自体がその時に求められている場合も多々あるとし、「そうしたアップグレードニーズも含めて、アップデートという言葉にした」と位置づけた。
違う観点からも、アップデートを示してみせる。
「アップグレードを基本としていた時代は、細部にいたるまで完璧とも言えるレベルに企業側で仕上げ切ってから、世の中に製品やサービスを提供してきた。
だが、アップデートしていくべき時代は、安全面などをクリアできてさえいれば、『あえての未完成品』とも言える段階で世の中に出していくべきである。これは不良品ではなく、使ってくれる人の手に渡ってからも、その人向けに成長する余白を持たせた状態のものを指す」
こうしたくらしアップデート業を具現化する製品のひとつが、HomeXである。
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