今回はCPU黒歴史をお休みして、インテル「Xeon」のロードマップをアップデートしたい。基本的には連載89回と差がないのだが、妙なものが投入されることがわかったのでご紹介しよう。
CPU同士の接続用に位置づけが変わった
Sandy Bridge-EN/EPのQPI
まず89回とのロードマップ図の違いを見ると、「Westmere-EX」ベースの製品に「Xeon E7-8870」が、「SandyBridge-DT」ベースの製品に「Xeon E3-1290」が追加された程度である。
また89回のロードマップ図では、「Xeon E5-24xx」と「Xeon E5-16xx」の投入時期が「2010/03?」となっていたが、これは「2012/03?」の誤りだったので、これを修正している。「SandyBridge-EP」ベースの「Xeon E5-26xx」は、89回は「2011年10月?」と記したが、11月になりそうな雰囲気だ。
基本となる製品動向に変化はないが、通信機器向けを中心に変則的な製品が投入されることがわかった。89回も解説したとおり、AMDの「4プロセッサー Tax」対抗のためにインテルは「Xeon E5」のパッケージを、当初予定していたLGA1356からLGA2011に切り替えた。
ただし、全製品を切り替えたわけではなく、「Xeon E5-24xx/26xx/46xx」がLGA2011、「Xeon E5-16xx」がLGA1356という妙な構造になっている。ここで重要なのは、LGA1356が生き残ってしまったことであるが、これが妙な構成で利用されるということだ。
図1は「Sandy Bridge-EN」を使った場合の2プロセッサーシステムの構成図である。QPIは1レーンのみ(速度は8.0GT/秒)で、チップセットの「Patsburg SSB-D」との接続は(LGA1366時代の)QPIに代えて、「DMI 2.0+PCI Express Gen3 x4」という構成になっている。
Sandy Bridge-ENはGPUを省いた代わりに、PCI Express Gen3を最大36レーン搭載する。そのためチップセットの接続も、PCI Expressのみでいいと判断したようだ。そのためQPIは、純粋にCPU同士の通信だけに使われるインターフェースに切り替わった。
これが「Sandy Bridge-EPに切り替わるとどうなるか?」というのが図2である。本来Sandy Bridge-EPでは4プロセッサー以上の構成を可能にするシステムだったので、QPIのレーン数が多い。そのため2プロセッサー構成では、2本のQPIレーンを使ってCPU同士を接続するという構成になっている。DDR3は4チャンネルとなり、またPCI Express Gen3は合計40レーンに増えている。
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