Mozilla.orgが、新しいMozilla開発ロードマップを公開した。
それによると、Mozilla 1.0以降継続されてきた開発は「not enough for a healthy open source project(健康的なオープンソースプロジェクトには不十分)」なものであり、「It's clear to us that Mozilla needs a new roadmap, one that charts a path to an even better future(Mozillaにはよりよい未来へのパスを示す新しいロードマップが必要なのは確実)」であるという。新たに示されたロードマップでは、新しいアプリケーションのアーキテクチャとして、プロセス間で共有できる“Gecko Runtime Environment(GRE)”を採用するとしている。そのほか、重要な要素として以下の5点が述べられている。
- Mozillaの標準ブラウザコンポーネントとして、XULベースのユーザーインターフェイスを持つPhoenixを採用する
- Phoenixに付随する独立したメールアプリケーションとして、Minotaurを採用する
- 現在開発中のMozilla 1.4を、これまでの安定版であるMozilla 1.0ブランチにかわる安定版とし、Mozilla 1.5などのバージョンは大きな変更を加える開発版とする
- Geckoの根本的なバグを修正し、メンテナンスやパフォーマンス改善、拡張を容易にする
- 無制限のCVSアクセスでたくさんの開発者を取り込むという開発モデルを改め、明確な権限と強力なリーダーシップできちんと保護されたモジュールを持つようにする
これらの要素は、量より質を求めることを背景としている。これまでのMozilla.orgの成果については、1998年のNetscapeソース公開以降、ブラウザやメーラ、エディタを統合した複雑なアプリケーションを開発し、「We've developed a fairly high quality, web-oriented cross-platform application framework: Mozilla-the-platform(我々はハイクォリティで、Webオリエントで、クロスプラットフォームのアプリケーションフレームワーク“プラットフォームとしてのMozilla”を開発してきた)」と評価している。一方で、アプリケーションを統合したため、ユーザーインターフェイスの複雑化やメモリフットプリントの肥大、安定性の低下といった“cost”が大きくなったこと、また、Geckoについても拡張が困難であるといった問題があり、今回のロードマップではこのような問題を解決することを目指しているようだ。
また、ロードマップの最後に示されている“milestone schedule”では、今後も四半期ごとにマイルストーンとなるリリースを継続すると述べている。次期安定版となるMozilla 1.4については、現在アルファ版が公開されており、ベータ版が4月25日、正式リリースは5月21日を予定している。