ゲームメーカーはXboxをどう見ているのか
ゲーム機の成否を握る日本のゲームメーカーはどう動く?
発売まで1年を切ったXbox。その姿も徐々に明らかにされ始め、開発機材の提供も進んでいるようだ。しかし現時点では国内メーカーで正式にタイトル供給を発表したメーカーはコナミくらいのもので、国内メーカーの動向は不透明だ。そこで本誌ではゲームメーカー各社に、Xboxに対する取り組みや印象についてたずねてみた。正式な参入表明のないメーカーがほとんどで、多くの回答は得られなかったが、国内メーカーがXboxに感じている期待と懸念が見えてくる。
まず「Xboxでの開発研究を行なっているか」の問いに対しては、マイクロソフトが昨年9月に公表した「Xboxディベロッパーリスト」にも名を連ねるあるメーカーは「動作検証を進めている」と述べている。いっぽう名前の挙がっていない某大手ゲームメーカーは、「(Xboxに対して)特別なインパクトはない。(開発や研究も)ほとんど行なっていない」とのこと。ただし今までPCゲームを手がけていないメーカーであっても、WindowsとDirectX環境については「(ノウハウは)それなりにある」や「部分的なノウハウはある。開発には改めて研究が必要」など、内部での研究は進めているらしい。「日本のメーカーはPCでのノウハウがないから……」という心配はなさそうだ。
Xboxの特徴であるEthernet機能の内蔵については、「ネットワークゲームをプレイするための敷居を下げる」(大手ゲームメーカー)などネットワークゲームの普及に弾みをつけるものと期待されてはいる。しかしアナログモデムやTAがないことについては、「デメリットになる」(大手ゲームメーカー)「種類が多くなればサポート面での負荷はある。開発自体にはそれほど影響はないのでは」(前述のリストにあるメーカー)と意見が分かれる。またネットワーク機能の標準搭載についても、「重要である」あるいは「現時点では付加価値」と、こちらも評価は分かれている。ネットワーク周りについては、マイクロソフトからの具体的なアナウンスがないことも影響しているのかもしれない。
各社とも共通しているのは、「DirectXだからゲーム開発は楽になる」と考えているメーカーはない、ということ。これは吉岡氏のインタビューでも触れられているが、DirectXベースで開発のとっかかりが楽になったとしても、そこからゲームを完成させる苦労が減ることはない。『ゲームの開発に「容易」はあり得ません』(大手ゲームメーカー)。