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乱雑な現場でも動くロボAI技術、見えない領域も予測=NEC

2024年02月21日 06時11分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NECは、整理されず不規則に配置された物品に対し、精密なハンドリング作業が可能なロボット人工知能(AI)技術を開発した。物品や障害物に隠れている領域やロボットの動作結果を予測することで、従来は人手を要した物流倉庫でのハンドリング作業を、ロボットで代替することが可能となるという。

NECは、整理されず不規則に配置された物品に対し、精密なハンドリング作業が可能なロボット人工知能(AI)技術を開発した。物品や障害物に隠れている領域やロボットの動作結果を予測することで、従来は人手を要した物流倉庫でのハンドリング作業を、ロボットで代替することが可能となるという。 近年、物流倉庫や工場などで自動化のニーズが高まっている。だが、既存のロボット技術では、物品や障害物が不規則に配置された環境を正しく認識することが難しく、ロボットが作業しやすいように環境を整える必要がある。 同社は今回、実世界で何が起こるかを予測・シミュレーションする「世界モデル」をロボットAI技術に応用。映像データからロボット動作に対する多様な形状の物品の動きを高精度に予測するモデルを学習して、「押す」「引く」といった精密な動作を実行させられるようにした。作業環境に応じた適切な動作順序を高速に生成することで、「置いて、押す」「引いて、取る」といった複数の動作の組み合わせも自律的かつリアルタイムに実行できる。 併せて、同モデルを応用して、ラベル付けが不要な教師なし学習を実現。隠れた物品形状の予測モデルを効率的に学習させることで、作業環境をカメラに見えない領域まで正確に予測し、他の物品や障害物と衝突することのない最適な動作を自動で生成できるようにした。

(中條)

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